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ポジティブな言い方よりネガティブな方が購買促進できる「フレーミング効果」とは?【経済の話】

Text:神樹兵輔

行動経済学は人間の非合理行動を解明する

メッセージには、ポジティブな内容のものとネガティブな内容のものがあります。いずれも人間の行動心理に影響を与えます。 太っている人に、ダイエット食品を薦める場合、「このサプリを食べるとやせられますよ」と言うより、「このサプリを食べないとブクブクと太り続けますよ」と言われたほうが損失が大きく印象づけられます。

これも思考の枠組みを変えさせるフレーミング効果です。「この手術の成功率は90%です」と言われれば、手術を受けようかとも思いますが、「この手術の死亡率は10%です」などと脅かされると、不安が増して悩んでしまいます。人は損失を強調されると、損失回避に傾くのは、行動心理学の教える通りなのです。

このように、不安や恐怖を煽って、相手の行動を動かすことを「フィアアピール」ともいいます。そして、心理学では、行動を促す効果がポジティブメッセージより、ネガティブメッセージのほうが強いことが証明されています。

ただし、フィアアピールは、やりすぎは禁物です。脅かしすぎると、思考の枠組みを変えるどころか、相手を不快にし、拒絶反応まで引き起こしかねません。

「お前、ワシの命令に逆らうとクビだからな」などと告げて、パワハラ騒動になっても困ります。「もっと活躍できる部署があるかな」ぐらいに留めたほうが効果的なのです。

抽象的な言い回しのほうが、相手にあれこれ想像させるぶん不安も大きくなるからです。ただし、言いっぱなしにせずに、最後はポジティブメッセージでまとめるべきでしょう。「これも、きみの持ち前の英知と俊敏な行動力に期待しているからだよ。頼むよ」などと相手へのフォローを忘れないことが大事です。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。

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