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3%の利益しか出ない金券ショップの驚きの「儲け方」とは?【経済の話】

Text:神樹兵輔

金券ショップは品揃えが重要

金券ショップは古物商です。古物商とは、中古品や新品を売買・交換する業者のことです。盗品や偽造品が換金目的で持ち込まれるため、所轄署での法令講習を受け、公安委員会から許可を得た業者なのです。

金券ショップは、リサイクル業者や古着屋といった古物商の中でも、最も粗利益の低い業態です。何しろ、額面の94%で買い取った金券を97〜98%で販売するなど、たったの2〜3%の差益しか見込めない商売だからです。

しかし、それでも1日の売上が100万円あれば、3%の粗利で3万円、売上が200万円あれば6万円になります。たとえ、1日3万円でも月に25日稼働すれば75万円、1日6万円なら150万円の月商です。ここから人件費と家賃を差し引いて黒字なら、立派に商売として成り立つわけです。

近年はネット売買もありますが、このビジネスは駅前の人通りの多い繁華街に店がないと成り立ちません。一人当たりの客単価が1万円以下なので、薄利多売が必要だからです。

駅前の一等地に店を構える場合でも、金券ショップの商品は金券なので在庫もかさばらず、店舗スペースは1〜3坪もあればよいので、半端な小スペースを借りれば家賃も抑えられます。

仕入れのメインはお客からの買い取りです。 欠品が多いと客足に響くため、新幹線チケットの在庫が少なければ、緑の窓口で自前で揃える場合もあります。繁忙時間は、会社員の昼休み時間と夕方です。お客が殺到する中、つり銭を間違えたり、盗品や偽造品を買い取ったりしないよう身分証チェックなどには神経を使います。

この業態は犯罪防止の意味合いから横の連携が密です。売れない金券もお互いに融通し合い処分しています。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。