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日本の家が狭いのには理由があった!古来より根付く「畳む」という文化とは?【建築の話】

「畳む」文化に潜む日本のライフスタイル

日本人の生活には、「畳む」ものがたくさんあります。家具はちゃぶ台、座卓、衣桁(衣類をかける道具)、屏風など、寝具も布団です。ほかにも和服、蚊帳(蚊よけの網)、風呂敷、提灯、扇子など、あげればキリがありません。

いずれも畳めばコンパクトになり、運びやすく、簡単に収納できます。この特徴をいかして、私たちは部屋を有効につかっていたのです。

朝は布団を畳んで押し入れに収納。かわりにちゃぶ台を出せば、その空間は寝室から食堂へ一変します。ちゃぶ台を上等な座卓にすれば、あっという間に客間です。金屏風を置けば、結婚式場にもなり、夏は蚊帳を出して蚊を防ぎます。

押入れ付きの部屋が一つあれば、十分暮らせたのです。これに対し、西欧の家具は部屋の機能を固定します。ベッドを設置すればそこは寝室、テーブルを置けば食堂、ソファをセットした部屋はリビングです

日本では部屋の名前を機能ではなく、6畳間、8畳間と広さで呼ぶのは、家具の違いによるものだといえます。

ヨーロッパの感覚では、日本の住宅はかなり狭く見えるようで、かつては「うさぎ小屋」と揶揄されたこともありました。しかし、それは住まい方の違いにすぎません。部屋の機能を家具で固定するのと、状況に応じて変化させるのと、どちらが優れているかは、考え方次第だといえます。

たとえば現代のワンルーム暮らしも、折り畳む家具をつかえば決して狭くはありません。和服のように畳める衣装は、洋服の4分の1のスペースで収納できます。これは日本人が考え出した生活スタイルなのです。

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志

【書誌情報】
『図解 建築の話』
著者:スタジオワーク

身近な建物が楽しくなる。ナゾとギモンを一挙解決!屋根の形は、どうやって決まるの? 正面だけが西洋風の看板建築って、どんな構造? うだつが上がらないの、うだつって何? 日本の建築をテーマに、さまざまな建築のナゾを楽しく解き明かします。古民家から、お寺、神社、城、庭、代表的な近・現代建築まで、建築家ならではの視点で、建築物の見方、楽しみ方を図解します。理系の知識がなくても大丈夫。私たちの生活や伝統美など、暮らしの文化に根ざした日本建築のスゴさと面白さがわかります。建築士しか書けない精緻なイラストを満載。60項目で楽しむ建築エンターテインメント本です。

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