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今とどれ程違う?平安貴族のおもしろい家屋のつくり方【建築の話】

家具をつかって空間をつくりかえる

平安時代の貴族が暮らした住まいを寝殿造といいます。中心にある寝殿は、広いワンルームに塗籠という寝室をセットにした建物です。同じようなワンルームの対屋を三方に配置し、コの字型に回り廊下でつないだ形式になっています。

家は女子が相続し、寝殿の主人は女性でした。対屋には成人になった娘が住み、そこに男が訪ねます。いわゆる通い婚です。

寝殿の前に池をつくるのは、夏の暑さ対策。寝殿の外周は蔀戸という跳ね上げ式の板戸で囲まれており、昼間は基本的に開け放しだったのです。御簾と壁代と呼ばれる布切れを垂れ下げるだけですから、冬の寒さが問題でした。

十二単衣の重ね着は、防寒のためという側面もあったのかもしれません。寝殿内のワンルームは、来客や宴、儀礼、さらには出産などの状況に応じ、場をつくりかえる必要がありました。

ここで活躍するのが調度と呼ばれる小道具や家具類。来客には板敷きの床に畳2枚を並べ、茵(座布団のような敷物)を重ねて座をつくります。さらに屏風、几帳、帷帳、衝立をつかって仕切ることで、場に相応しい空間をつくりました。そうすることを室礼といいました。

このように建具が少なく、調度が非常に豊かなのが平安時代の特徴です。のちに武士が住んだ書院造りでは、逆に調度が減り、建具が増えていきます。

両者には共通点もあります。その一つが高床です。高床にいる人と地面にいる人とで身分差を目上と目下の関係で表現したのです。こうした身分差を建築化する考え方は支配層の象徴として書院造に、より徹底した形で受け継がれます。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク

【書誌情報】
『図解 建築の話』
著者:スタジオワーク

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