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日本流の建築が面白い!日本独特の「アパート」の面白い構造とは?【建築の話】

個人宅が連なっているのが長屋

長屋と聞いて、江戸時代の町人や職人が住んだ昔のアパートだと思っている人もいるかもしれませんが、実は長屋とアパートは別物です。アパートは玄関、廊下などを共用していますが、長屋は共用せず、各住戸の玄関が直接外に面しています。両者は法律でも区別されており、共用利用度の高いアパートの方が厳しく規制されているのです。

江戸時代の裏長屋は平屋建ての間口9尺、奥行2間が並ぶ棟割長屋がよく見るスタイルでした。間取りは1・5畳の土間に、4・5畳の部屋。住人は路地にある便所と井戸、物干し場を共同で利用しました。水を井戸から運ぶので、台所は表口の土間です。

明治時代になっても、多くの人が長屋に住んでいました。しかし部屋から台所を隠すために土間との間を仕切ったり、個別の便所が見られるようになります。

そして大正時代になると、2階建ての長屋が登場。2階に座敷が設けられ、日の当たる路地側に物干しがつくられるようになりました。

さらに関東大震災後、各地で上水道が整備されると、台所が裏手に移動し、かわりに玄関や前室がつくられます。便所も各住戸内につくるようになり、屋根つきの立派な玄関や前庭も登場したのです。

江戸の裏長屋では、落語の人情噺のような人々の交流が頻繁に行われていました。アパートが普及したことで、こうしたつながりは失われてしまったのかもしれません。

とはいえ、長屋は現在も存在しています。テラスハウスと呼ばれる集合住宅は各住戸に専有庭や駐車場があり、進化した長屋と呼べるでしょう。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク

【書誌情報】
『図解 建築の話』
著者:スタジオワーク

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