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日本の昭和初期に入ってきた1910年代の欧米で流行した装飾様式「アール・デコ」とは?【建築の話】

知っておくと面白いそれぞれの違い

アール・デコは1910年代の欧米で流行した装飾様式です。それまで一世を風靡していたアール・ヌーボーは植物などの有機的なモチーフを自由曲線で優雅に表現する様式で、職人の手作業による一点物が基本でした。

これに対して、アール・デコは直線と円弧を基本とする幾何学模様と記号化されたモチーフを繰り返すシンプルなデザインが特徴です。

そのため工業化による大量生産の時代にもマッチしました。このアール・デコ様式が日本にやってきたのは関東大震災後の昭和の初めのことです。ヨーロッパに強い憧れを抱いていた日本人は、この最先端デザインを庁舎、ホテル、学校など、さまざまな建物に取り入れていきます。

とくに当時のサラリーマン層の心をつかんだのは、映画とデパートです。彼らは映画を通じてヨーロッパのライフスタイルを知り、ヨーロッパの香り漂うデパートという空間で、その実物に触れるようになりました。

デパートは身近なヨーロッパを楽しめる場所となり、この新しい娯楽を通じて、日本におけるアール・デコは鮮やかに花開いたのです。

老舗と呼ばれるデパートの建物をよく見ると、内装はかわっていても、外観に当時の様子を感じられるものが少なくありません。また階段や天井、玄関部分にも当時のしつらいを残しているものがたくさんあります。

アール・デコ様式の特徴は次の四つです。①定規とコンパスで描くような直線と円弧で構成、②幾何学模様、③左右対称、④繰り返しのリズム。これらに注目して、現在も残るアール・デコ様式とヨーロッパの香りを探してみてください。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク

【書誌情報】
『図解 建築の話』
著者:スタジオワーク

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