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世界最古の木造建築・法隆寺の五重塔の美しさの秘密とは?【建築の話】

日本の黄金比「大和比」は1対ルート2

世界最古の木造五重塔である法隆寺の五重塔。その美しさの秘密は、屋根幅が徐々に狭まる姿にあるといわれているのをご存知でしょうか。

最上階の屋根幅を1とすると、1階の幅は約1.4倍になっています。1.4はルート2(1.414…)に近く、実はこの1対ルート2という比率が、法隆寺の至るところにつかわれているのです。たとえば塔と金堂を囲む回廊の縦横比、正面から見た金堂の上層階と下層階の建物幅の比率はいずれも1対ルート2になっています。

多用したのは、これが美しい比率だと考えていたからにほかなりません。西洋では1対1.64ですが、日本では1対1.41(ルート2)が黄金比だったといって過言ではないでしょう。この比率を大和比と呼ぶ専門家もいます。

大和比は身近なものにも数多くつかわれてきました。たとえば日の丸の縦と横、新聞紙、一般的な週刊誌、文庫本のサイズはこの比率が基本になっています。美濃紙(半紙)も1対ルート2ですから、当然それを使用する障子戸の組子の縦横も同じ比率になったのです。

大和比は、私たち日本人にとって、見慣れた安定したバランスなのだといえるでしょう。

大工さんの持つサシガネ(L字形のスケール)という工具には、表は1ミリ刻み、裏はそれにルート2倍をかけた寸法が刻まれています。つまり表の目で2センチをあて、次に裏の目で2を読み取れば2ルート2の寸法値になるわけです。

大工さんはこれを利用することで、面倒な1.41やルートを計算する煩わずらわしさもなく、日本の黄金比をごく自然につくりあげてきました。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク

【書誌情報】
『図解 建築の話』
著者:スタジオワーク

身近な建物が楽しくなる。ナゾとギモンを一挙解決!屋根の形は、どうやって決まるの? 正面だけが西洋風の看板建築って、どんな構造? うだつが上がらないの、うだつって何? 日本の建築をテーマに、さまざまな建築のナゾを楽しく解き明かします。古民家から、お寺、神社、城、庭、代表的な近・現代建築まで、建築家ならではの視点で、建築物の見方、楽しみ方を図解します。理系の知識がなくても大丈夫。私たちの生活や伝統美など、暮らしの文化に根ざした日本建築のスゴさと面白さがわかります。建築士しか書けない精緻なイラストを満載。60項目で楽しむ建築エンターテインメント本です。

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