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古生物って、いったいなに?【古生物の話】

Text:大橋智之

この地球にかつて存在したあらゆる生物のこと

地球が誕生したのは、いまから約46億年前のことです。惑星誕生直後の過酷な環境が少し落ち着いた約40億年前、生命が登場したとされています。

そこから流れた長い年月のなかで、この地球では途方もない数、種類の生物が生まれ、消えていきました。わたしたちが実際に観察することのできる生物は、そのごく一部に過ぎません。

わたしたち人類の祖先が生まれる前に、この地球にいた過去の生物を総称して古生物(こせいぶつ)といいます。そして、こうした古生物について研究し、これまでこの地球に存在した生物の全体像を明らかにしようとする学問が古生物学「Paleontology(パレオントロジー)」です。

古生物には、動物だけでなく、植物や微生物、菌(きん)類など、あらゆる生物が含まれます。そのなかには、ある時期にだけ存在し、その後、絶滅してしまった生物(絶滅種)も数多く含まれるでしょう。

そうした絶滅種については、化石に代表される「そこに生物がいた痕跡(こんせき)」だけが手がかりです。

古生物学では、こうした小さな証拠をひとつずつ調査しデータを積み上げ、これまでにおよそ25万種の古生物(論文記載された化石種)を見つけ出しました。

もちろん、その大半が絶滅したと考えられている生物です。

また、生命誕生の瞬間にも近づいています。現在わかっている最古の生物化石は、約35億年前の地球に存在したバクテリアです。

生命の全貌(ぜんぼう)が明らかになるまでには、まだ遠い道のりがあることでしょう。

しかし、こうして明らかになった古生物の姿や生態、そして繁栄と進化、絶滅の歴史は、現在のわたしたちに多くのことを教えてくれるはずです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
著者:大橋智之  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
大橋智之(おおはし・ともゆき) 北九州市立自然史・歴史博物館 学芸員。古脊椎動物担当。1976年、福島県生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。日本古生物学会会員。


「古生物って、いったいなに?」「どうして絶滅した生物の生態や色がわかる?」素朴な疑問形式で、太古に生きた古生物のキホンとディープな魅力を紹介。触手が特徴のアノマロカリス、丸ノコギリのような歯をもつヘリコプリオン、進化の懸け橋のティクターリク、超巨大トンボのメガネウラ、中生代最後の暴君竜、ティラノサウルス……。古生代、中生代、新生代のスゴくて面白い絶滅古生物約50種を、リアルなイラストとともに解説しました。最新の研究成果でそのユニークな特徴を余すところなく伝えます。奇妙でかわいい、スゴくて個性的!太古の生物の魅力が存分にわかります。いま最もホットな話が満載。古生物の魅力と謎が図解イラストで楽しくわかるエンターテインメント教養本です。

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