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アレニプテルス【古生物の話】

Text:大橋智之

似ていないけどシーラカンスの仲間

「生きている化石」の代表として知られているシーラカンスが白亜紀末に絶滅せず、現在も生きていることがわかったのは1938年のことです。南アフリカ南東部カルムナ川河口付近で捕獲されたことがきっかけでした。

いまでは、南アフリカやインドネシア沖の深海に、2種のラティメリア属のシーラカンスが生息していることが確認されています。ただし、生息が確認されているのは数百匹のみで、国際取引はワシントン条約によって厳しく制限されています。体の基本的な構造は太古からほとんど変わっていません。

肉厚のヒレを交互に動かして左右に移動したり、バックしたり、逆立ち泳ぎをするなど、その器用な生態も観察によって明らかになっています。

シーラカンス類は一見すると条鰭類(じょうきるい)の仲間に見えますが、ティクターリクやイクチオステガと同じく、肉鰭類に分類されます。

シーラカンス類のなかでも、古生代デボン紀に出現した初期の仲間は淡水や海の浅瀬に住む小さな種ばかりでした。

アレニプテルスは石炭紀に登場した、比較的初期のシーラカンスの仲間です。全長は15センチほどで体高が高く扁平(へんぺい)な体でした。

現在のシーランスからは程遠い姿で、シーラカンスのなかでは変わり種といえるでしょう。 海底付近に生息していたため、腹部のうろこが硬く丈夫なつくりになっています。

シーラカンス類は中生代になると海に進出したものが大型化していきます。最大の種とされるマウソニア・ラボカティは全長3.8メートルです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
著者:大橋智之  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
大橋智之(おおはし・ともゆき) 北九州市立自然史・歴史博物館 学芸員。古脊椎動物担当。1976年、福島県生まれ。東北大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。日本古生物学会会員。


「古生物って、いったいなに?」「どうして絶滅した生物の生態や色がわかる?」素朴な疑問形式で、太古に生きた古生物のキホンとディープな魅力を紹介。触手が特徴のアノマロカリス、丸ノコギリのような歯をもつヘリコプリオン、進化の懸け橋のティクターリク、超巨大トンボのメガネウラ、中生代最後の暴君竜、ティラノサウルス……。古生代、中生代、新生代のスゴくて面白い絶滅古生物約50種を、リアルなイラストとともに解説しました。最新の研究成果でそのユニークな特徴を余すところなく伝えます。奇妙でかわいい、スゴくて個性的!太古の生物の魅力が存分にわかります。いま最もホットな話が満載。古生物の魅力と謎が図解イラストで楽しくわかるエンターテインメント教養本です。

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