100円でアップル株にも投資できる？投資信託のしくみとメリットとは！？【ほったらかしで3000万円貯める！お金と投資の超入門】

株や債券などをまとめ買い！投資信託のしくみとメリット

長期・分散の積み立て投資は、分散投資できる対象に、決まった額をコツコツ投資し続けるのがキモです。そのためにピッタリの金融商品が投資信託です。

●たくさんの投資家からの資金で、複数の銘柄に分散して投資する
投資信託はたくさんの投資家から集めたお金をまとめて、専門家が運用してくれる金融商品です。「投信ん」や「ファンド」とも呼ばれ、証券会社や銀行で購入できます。投資対象は日本はもちろん外国株や債券、ＲＥＩＴ（不動産投資信託）などさまざまです。たとえば、日本で上場している株に直接投資する場合は安いものでも10万円程度の資金は必要ですが、投資信託であれば１万円程度から買えます。大手ネット証券であれば１００円から購入できます。米国などの外国株や、インドのような個人投資家が直接投資するのがむずかしい国の株でも、投資信託なら手軽に投資できます。

投資信託の中身である株や債券の価格が変動すれば、投資信託の価格も同じように動きます。また、投資信託の中身に配当金や賃料収入などがあれば、その投資信託も分配金というかたちで配当を出します。分配金はあえて出さず、再投資して投資信託自体の値上がりをめざすものもあります。

投資信託のラインナップは幅広く、現在６０００本以上が販売されています。日本の株だけでも日経平均株価（日本の株式市場に上場する代表的な２２５社の平均株価）やトピックス（東証１部に上場するすべての日本企業の株価）といった株価指数に連動する商品があります。　そのほか、自動運転やＡＩといった成長性の高いテーマを設定し、このテーマに合う企業を選んでまとめて投資する商品もあります。いずれにしても、投資信託は一つの銘柄だけに投資するのではなく、複数の銘柄に分散して投資するので、投資家は少額の資金でも投資先を広く分散させることができます。

●１００円でアップル株にも投資できる！？
たとえば、日経平均株価は２２５の銘柄で構成され、いちばん構成比率が高いファーストリテイリング（ユニクロやジーユーを傘下に持つ企業です）１銘柄に株で直接投資する場合は、８００万円程度が必要になります。しかし、日経平均株価と同じ値動きをする投資信託を買えば、わずか１００円でファーストリテイリングを含む２２５銘柄すべてに投資できることになります。同様に、米国を代表する株価指数であるＳ＆Ｐ５００（ニューヨーク証券取引所、ナスダック等に上場している代表的な５００社の株価）に連動する投資信託を買うことも同じです。そうすれば、１００円でアップルやマイクロソフト、アマゾンといった日本でもなじみ深い企業５００社にまとめて投資できます。投資信託は幅広い投資対象に少額から手軽に投資できるので、投資初心者やまとまった資金を持たない人にもトライしやすい金融商品です。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める！ お金と投資の超入門』
監修：坂本綾子/ファイナンシャルプランナー（日本FP 協会認定CFP Ⓡ） 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム（良質な金融商品を育てる会）の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください！』（SB クリエイティブ）、『まだ間に合う！ 50 歳からのお金の基本』（エムディエヌコーポレーション）、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』（朝日新聞出版）などがある。