人生には〝貯めどき〟と〝使いどき〟があるんです
「毎月、決まった額を積み立てていき、収入が増えれば積み立て額も増やす」これが理想ですが、現実にはこれまでどおりの額を積み立てていくことさえむずかしくなる時期があります。一般的には、子どもの大学受験に向けた塾代などの費用がかさむ高校時代から、大学を卒業するまでの期間は家計が非常に苦しくなります。
住宅ローンの返済が重なっていたりすると、なおさらです。あなたが今は独身でも、長期の積み立て投資は10年、20年先を思い描きながら行なっていくので、こうした将来の大きな出費は無視できません。 子どもがどんな進路を歩むかでスタート時期と終了時期は異なりますが、子どもの教育にお金がかかる時期が人生最大の出費期間です。この時期に家計がひっ迫するのはしかたのないことなので、この期間は積み立て額を減らすという選択も必要です。
●iDeCoとつみたてNISA、どちらを減らす?
積み立て額を減らしたり増やしたりする調整は、まずはつみたてNISAで行なうのが便利です。証券会社や銀行のウェブサイトで積み立て額を変更したり中断する手続きを行なうと、多くの場合は翌月から反映されます。iDeCoも年に1回だけ積み立て額の変更が可能ですが、書類の提出が必要です。また、原則として途中でやめてお金を引き出すようなことはできません。
iDeCoの積み立てを一時的に停止することは可能ですが、これには複数のデメリットがあります。まず、積み立てを停止している間も手数料はかかります。そのため、これまで積み立てた資産から手数料が取り崩されてしまいます。また、積み立てを停止している期間は、一時金を受け取る際の非課税枠を計算するもととなる加入期間としてカウントされません。
積み立てた資産を老後に一時金で受け取るときに、iDeCoに加入していた期間が長いほうが非課税枠が大きくなります。このため、積み立ての停止はなるべく避け、掛金の変更で対応しましょう。証券会社や銀行に連絡し、掛金額変更届を提出します。掛金の下限は5000円で、それより少なくすることはできません。また、変更が反映されるまでには数か月かかり、もとに戻すときも同じ作業をしないといけません。まとめると、『iDeCoとつみたてNISA 減らす順番』の図に示したように対応します。
【出典】『ほったらかしで3000万円貯める! お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ) 日本文芸社刊
監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!』(SB クリエイティブ)、『まだ間に合う! 50 歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などがある。
書籍情報:『ほったらかしで3000万円貯める!お金と投資の超入門』
監修:坂本綾子/ファイナンシャルプランナー(日本FP 協会認定CFP Ⓡ)
もうお金で困らない、お金の不安を一掃! 知識ゼロ、貯金ゼロでもOK! ムリなく確実に、ほったらかしでドンドン貯まる「iDeCo(イデコ)」と「つみたてNISA(ニーサ)」のしくみと始め方をトコトンやさしく解説しました。いま、話題の「iDeCo」「つみたてNISA」は積み立て投資の最強ツールです。月3万円の積み立てでも、35年後には2700万円に!(年利4%で運用)。ほったらかしで3000万円を貯めるノウハウを存分に教えます。さまざまなシミュレーションのほか、成功例や失敗例、うまくいく「iDeCo」と「つみたてNISA」の始め方、失敗しない商品の選び方、選ぶべき厳選10本など、成功するために知っておきたい知識とテクニックが満載です。キーワードは、長期、分散、積み立て投資。投資に手間や時間をかけない、あてにいかない、予想をしない、なるべく早く初めて、長く続けること。ズバリわかる! ラクして大きく増やす、ズボラさん向けの投資術です。これからお金を増やしたい人、貯めたい人、必読です。
公開日:2022.06.24
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