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「知っている」「好む」ことは、利点は多いが長い人生、最高に幸せに満ちたものにする取り組みとは?【論語】

Text:山口謠司

子(し)曰(いわ)く、これを知(し)る者(もの)は、これを好(この)む者(もの)に如(し)かず。これを好(この)む者(もの)は、これを楽(たの)しむ者(もの)に如(し)かず。

<訳>先生がいわれた。知っているということは、好むということには及ばない。好むということは、楽しむことにはさらに及ばない。

学問や仕事の世界では、知っていることは、いろいろと利点は多いでしょう。さらに、好きなことを仕事にすれば、仕事自体が興味の対象となるのだから、それに優ることはありません。

しかし、知っていることも、好きなことも理性に裏付けられた感情のひとつである点を考えると、楽しむことはさらにその上の境地ともいえる状態のことです。

どのようなことでも、心から楽しむことのできる対象と向き合うことは、最高のことといえるのではないかと孔子はいっています。

人は仕事を選択するときに、様々な動機から考えます。知人がその仕事をしているのでよく知っている、あるいは仕事の内容が好きだから、という理由で選ぶこともあるでしょう。どちらもよくあることですが、もしも高いお給料がもらえるから、などという理由から仕事を選ぶようなことがあったなら、それは論外です。お金だけで嫌なことを我慢することは、長い間はできません。

やはり、楽しんで取り組むことができる仕事であったならば、好結果をうみ、長い人生、最高に幸せに満ちたものとなるはずです。単純だけれども、重要な境地を説いた、有名な一文です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 論語』
監修:山口謠司  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1963年長崎県生まれ。博士(中国学)。大東文化大学文学部大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現大東文化大 学文学部中国学科准教授。 主な著書に『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞を受賞。集英社インターナショナル)、『日本語の奇跡〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』『ん─日本語最後の謎に挑む─』『名前の暗号』(新潮社)、『てんてん 日本語究極の謎に迫る』(角川書店)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)、『大人の漢字教室』『にほんご歳時記』(PHP 研究所)、『漢字はすごい』(講談社)、『語彙力のヘソ』(徳間書店刊)、『おとなのための 1 分読書』(自由国民社)など著書多数。


2500年の時を超え、「聖書」と並び読み継がれてきた孔子の言葉を著した『論語』。「人生最高の教え」と賞される、この全20章500余の短文から現代により通じる「珠玉の言葉」を厳選して紹介、図解でわかりやすくまとめた1冊!

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