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董卓ついに誅殺される!【図解 三国志】

Text:澄田 夢久

貂蝉が董卓と呂布の中を裂く

王允の策略を知らされた貂蝉は、「旦那さまの憂いのご様子に心を痛めておりました。わたくしでお役に立つことがあらば、万死も厭いといませぬ」と言う健気さ。王允は貂蝉の手を取り、「すまぬ」と一声、感涙に咽むせぶのである。

王允の巧みな手筈で貂蝉は、呂布を虜にし、董卓を籠絡する。董卓は、貂蝉を日も夜も離さず、政務など顧みぬていたらく。貂蝉は、呂布に董卓の愛撫を苦しみとして、ハラハラと涙をこぼして見せる。嫉妬は何よりもの力の原泉か。時は至れり。王允は呂布に、「漢王朝に力を貸せば温侯(呂布)は忠臣、董卓に力を貸せば逆臣」と唆そそのかし、ついにその日がやってくる。

「献帝が董太師に帝位を譲りたいので参内されたし」との詔を信じた董卓が入朝するや、百人もの近衛兵が討ちかかってくるではないか。逃げる董卓は「奉先(呂布の字)はいずこぞ!」と助けを呼ぶ。

呂布は姿を現すが、「丞相は逆賊だ。詔をもって賊を成敗する!」と一声発するや、方天画戟は董卓の喉を刺し貫いた。董卓の腰巾着、李儒も当然のごとく処刑だ。董卓配下の李傕、郭汜、張済、樊稠は「董卓、誅殺」の報に接すると、ただちに軍を率いて拠点の涼州を目指して遁走する。初平三年(192)四月のことだった。

王允は、董卓の首と胴体を長安の街に晒したが、番卒の兵が董卓の臍へそに灯芯を差して火を灯すと、翌日まで消えない。脂肪さえも地面に流れ出た。董卓の肥満ぶりが偲ばれよう。

呂布は貂蝉をわがものとして満足の限り。王允はその呂布と皇甫嵩に命じて董卓一族を皆殺しにする。中国では首領が討たれると、一族も皆殺しにされる。なかなか酷薄な始末となるのである。

哀れなのは、大学者の蔡邕だった。董卓が蔡邕の高名を尊び、招聘して厚く遇した。蔡邕は、董卓の死につい慟哭する。それをもって王允は、「逆賊董卓の死を悲しむとは、お前も逆賊か」と咎め、「董卓の非道は憎んでいるが、いっとき知遇を得たので死に涙した」との蔡邕の弁明も聞かず、捕らえて獄死させたのである。

だが、王允の絶頂もいっときの事。逃亡した李傕、郭汜らが長安に上表し、恩赦を求めたが、王允は、「これらの者は董卓を助けて朝廷をないがしろにした。いま天下に大赦令が発布されたが、この四人だけは許すわけにはいかぬ」と一蹴する。

それを知った謀士の賈詡が、「許されぬなら長安に攻め込んで、董卓どのの仇討ちをするべきだ」と言う。賈詡の建言を諾した李傕、郭汜、張済、樊稠は一転、長安に攻め寄せる。呂布が奮闘するも敵わず、敗残の兵、百騎余りを率いて飛ぶように南陽郡の袁術のもとに逃げ込んだ。

だが、王允は逃げるのを善しとせず、とどまって討たれるのである。

『図解 三国志』はこんな人におすすめ!

・中国の古い歴史に興味がある!
・昔の人は何のために争っていたのか?
・三国時代や格言について学びなおしたい

と感じている方には大変おすすめな本です。

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面、また「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」「髀肉の嘆」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。また、曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章、左側に図解で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!中国では、「革命」によって新たな王朝に禅譲されるのが約束事

『三国志』は「紀伝体」で書かれました。帝の記録「本紀(略して紀)、それ以外の人物の記録「列伝(略して伝)」で構成される歴史書です。陳寿は『三国志』を書くに際してあれこれ惨憺したらしい。魏の曹操(155~220)没後、息子の曹丕(187~226)が皇帝を名乗り、であればと蜀の劉備(161~223)、次いで呉の孫権(182~252)も皇帝を名乗った。

でも、三国に帝(皇帝)がいるというのは古来の中国ではあってはならないこと。天が命じた天子に地上を治めさせるので、天子は一人でなければならなかった。しかし、その天子が徳を失えば、徳のある天子に禅譲することになります。だから陳寿は、後漢の献帝(181~234)から禅譲(実際は簒奪)されたとする魏を正統とすることによって、魏から禅譲(これも簒奪)されたとする西晋を正統とせざるを得ない。

ほんとうは後漢の正統を継いでいるのは、漢王室の末裔とされる劉備が興した蜀と思っていても、陳寿はそうは書けない。故国蜀の滅亡で晋に職を求め、史官として三国の歴史を書くために仕えている身としては、晋朝廷から覚えめでたくあらねばならない、きっとそう悩んだ。

結局、陳寿は「魏書」に「本紀」を置かざるを得ず、「武帝紀(曹操)」「文帝紀(曹丕)」から最後の皇帝「元帝紀(曹奐)」まで著しました。じゃあ、劉備や孫権をどう扱ったか?「蜀書」に「先主伝」を立て、劉備を“先主”と呼ぶ一方、「呉書」の「呉主伝」では孫権は一貫して“権”。「列伝」では当該人物名を生前名の諱で呼ぶのが原則なのに、劉備に関してはその慣例を無視。まさに陳寿は蜀びいきなんですね。

★三国志演義の物語
★赤壁の戦いの真実とは?
★三国志の始まりとは
★知っておきたい軍事制度とは

などなど気になるタイトルが目白押し!

『三国志』には、心打つ名言や現代にも通じる格言が多くあります。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、など魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、名場面を図解でわかりやすく解説しているので「三国志」の学び直しに是非読んでいただければ幸いです。

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 三国志』
渡邉義浩 監/澄田夢久 著

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面や「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

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