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曹操と袁紹がついに決戦へ【図解 三国志】

Text:澄田 夢久

三国志の主役たちが続々登場

さて、いよいよ曹操と袁紹は、「官渡」で激突することになる。前哨戦は「白馬」である。建安四年(199)、曹操は、袁紹が拠点の冀州鄴ぎょうを十万の軍兵を率いて進撃を開始したとの報を得た。先制攻撃を仕掛けるべきと決断した曹操は、八月、黄河の北、黎陽に進軍して攻撃する。また、東方の青州に兵を差遣し、于禁には黄河を渡河させて、袁紹の動きを牽制。そのうえでさらに一軍をもって官渡の守衛に当たらせた。

十一月、建安二年(197)に曹操の息子の曹昂、親衛隊長の典韋を奇襲で討ち取っていた張繍が、董卓や李傕に仕え、曹操に鞍替えした謀士賈詡から曹操に降るように説得され恭順する。これで側面の憂いがなくなった曹操は、自ら官渡に兵を進め、決戦に備えるのである。

一方、袁紹は、建安五年(200)二月、大軍を黎陽に進軍させ、顔良に白馬を守る劉延への攻撃を命じた。曹操は、参謀荀攸の策で、黄河をわたり顔良の背後を突くと見せかけ、敵が気を取られている間に軽騎で白馬を叩く戦術を採った。

袁紹は、荀攸の策略に乗せられて軍を二分し、本軍を曹操軍の渡河に相対させた。それを予期していた曹操は、関羽と張遼を白馬へ急行させ、怒涛の攻撃を命じるのである。

このとき、関羽が騎乗していたのは「赤兎馬」である。曹操が呂布を縊り殺したとき、関羽に下賜していたのだ。関羽は、巨体ながらも軽やかに赤兎に飛び乗り、青龍偃月刀を逆手に躊躇なく敵陣へ突っ込んでいく。その勢いに恐れをなした袁紹軍は二つに割れ、関羽は誰遮さえぎるものもない戦場を疾駆し、顔良へ肉薄していった。

顔良は、信じがたいものを見たような驚愕に囚われ、「はっ!」と我に帰る間もなく偃月刀に血潮を濡らしたのである。関羽は、下馬するや顔良の首を掻き切り、赤兎に跨って敵陣を駆け抜ける。敵軍はただ驚き恐れるだけで遮る兵さえいない。関羽は、さながら無人の荒野を疾駆するがごとくだ。

曹操軍は混乱の袁紹軍に畳み掛けるように攻撃し、蹴散らした。「白馬の戦い」は、こうして曹操の勝利に終わったが、これはまだ小手調べの局地戦。本番は、これからやってくるのである。

「顔良、斬られる」の報は、少なからず袁紹を消沈させたが、その沈鬱な空気を引き裂くように、「顔良と自分は兄弟同然だった。この恨みを晴らさせていただきたい」との大音声が轟く。身の丈八尺、猛牛の顔つき、河北の猛将文醜であった。

参謀の沮授は、軽々の出撃を窘めたが、袁紹は聞き入れず、文醜に七万の兵を与え、同道を申し入れた劉備には三万の兵を貸し与えて、後詰を命じたのである。

『図解 三国志』はこんな人におすすめ!

・中国の古い歴史に興味がある!
・昔の人は何のために争っていたのか?
・三国時代や格言について学びなおしたい

と感じている方には大変おすすめな本です。

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面、また「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」「髀肉の嘆」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。また、曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、右側に文章、左側に図解で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!中国では、「革命」によって新たな王朝に禅譲されるのが約束事

『三国志』は「紀伝体」で書かれました。帝の記録「本紀(略して紀)、それ以外の人物の記録「列伝(略して伝)」で構成される歴史書です。陳寿は『三国志』を書くに際してあれこれ惨憺したらしい。魏の曹操(155~220)没後、息子の曹丕(187~226)が皇帝を名乗り、であればと蜀の劉備(161~223)、次いで呉の孫権(182~252)も皇帝を名乗った。

でも、三国に帝(皇帝)がいるというのは古来の中国ではあってはならないこと。天が命じた天子に地上を治めさせるので、天子は一人でなければならなかった。しかし、その天子が徳を失えば、徳のある天子に禅譲することになります。だから陳寿は、後漢の献帝(181~234)から禅譲(実際は簒奪)されたとする魏を正統とすることによって、魏から禅譲(これも簒奪)されたとする西晋を正統とせざるを得ない。

ほんとうは後漢の正統を継いでいるのは、漢王室の末裔とされる劉備が興した蜀と思っていても、陳寿はそうは書けない。故国蜀の滅亡で晋に職を求め、史官として三国の歴史を書くために仕えている身としては、晋朝廷から覚えめでたくあらねばならない、きっとそう悩んだ。

結局、陳寿は「魏書」に「本紀」を置かざるを得ず、「武帝紀(曹操)」「文帝紀(曹丕)」から最後の皇帝「元帝紀(曹奐)」まで著しました。じゃあ、劉備や孫権をどう扱ったか?「蜀書」に「先主伝」を立て、劉備を“先主”と呼ぶ一方、「呉書」の「呉主伝」では孫権は一貫して“権”。「列伝」では当該人物名を生前名の諱で呼ぶのが原則なのに、劉備に関してはその慣例を無視。まさに陳寿は蜀びいきなんですね。

★三国志演義の物語
★赤壁の戦いの真実とは?
★三国志の始まりとは
★知っておきたい軍事制度とは

などなど気になるタイトルが目白押し!

『三国志』には、心打つ名言や現代にも通じる格言が多くあります。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、など魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、名場面を図解でわかりやすく解説しているので「三国志」の学び直しに是非読んでいただければ幸いです。

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 三国志』
渡邉義浩 監/澄田夢久 著

魏・蜀・呉、三国の興亡を描いた『三国志』には、「桃園の誓い」「三顧の礼」「出師の表」「泣いて馬謖を斬る」など心打つ名場面や「水魚の交わり」「苦肉の策」「背水の陣」など名言や現代にも通じる格言も数多く登場する。曹操、劉備、孫権、孔明、関羽、張飛、趙雲、周瑜、司馬懿など個性豊かで魅力的な登場人物に加え、官渡の戦い、赤壁の戦い、五丈原の戦い等、歴史上重要な合戦も多い。英雄たちの激闘の系譜、名場面・名言が図解でコンパクトにすっきりわかる『三国志』の決定版!

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