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アスリートがルーティーンやジンクスにこだわるのはなぜ?科学的根拠がなくても行う理由とは【ゼロからわかる知らないと損する行動経済学】

Text:ポーポー・ポロダクション

アスリートがルーティーンにこだわる理由とは

ルーティーンは決まった手順や動作などを行い、メンタルコントロールやよいパフォーマンスを引き出すためにするものです。たとえば野球界のレジェンド、イチロー選手は試合から逆算して、細かい動作まで計画していた人としても有名です。

食事もカレーなど年単位で同じものを食べ続けていました。違うものを食べたことにより「おいしくない」「体調をくずした」など野球に悪影響を及ぼすかもしれない要素を排除していたと考えられます。

トップアスリートたちは、ベストの状態を引き出すために、うまくできた動作をコピーして成功体験を引き寄せるだけでなく、「失敗できない」という強い損失回避性ももっています。

ジンクスに逆らえない心理

ルーティーンが自分の動作によって行われることに対して、ジンクスは環境や状況が影響する場合が多いといえます。たとえば4は「死」に、9は「苦」を連想することから縁起が悪いとして、ホテルや病院で部屋番号に使われないことがあります。キリスト教圏ではイエス・キリストの最後の晩餐に出席した人数や席順などから、13を不吉な数字として使わないジンクスもあります。

根拠がなくても使いたくない気持ちになるのは、もし何かあったら困る(クレームを含めて)という損失回避の思いがあるからなのです。

ルーティーンとジンクスの違いとさまざまなジンクスの一例

ルーティーンとジンクスは似ているようで、全く別のものです。ルーティーンは、食事はいつも同じものであったり、試合前の行動は同じにする、試合後には毎回道具を磨くなど、決まった手順や動作を行い良いパフォーマンスを引き出すためにすることをいいます。

一方で、ジンクスはタピオカが流行ると景気が傾くや、流行語大賞を受賞した芸人は消えるなど縁起の良い悪いに関わらず、縁起を担ぐ対象となる全てのことをいいます。ジンクスには、黒猫が通ると不吉なことが起こるや、大物芸能人が結婚した当日、翌営業日に株価が下落するなど興味深い事例もあります。

「ゼロからわかる 知らない損する 行動経済学」はこんな方にオススメ!

・行動経済学を学んでみたい!
・アスリートがルーティーンをおこなうのはなぜ?
・ビジネスに行動経済学を取り入れてみたい
・行動経済学を学ぶメリットを知りたい

そう感じている方にはぜひ本書『知らないと損する 行動経済学』を手に取っていただけたらと思います。

出典:『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』著/ポーポー・ポロダクション

【書誌情報】
『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』
ポーポー・ポロダクション 著

コロナ禍により、さらに注目を集めている行動経済学。消毒液をプッシュするとおもしろい音が出ることで、手指の消毒を促進したり、レジ前に足跡のマークをつけてソーシャルディスタンスを保ったり。行動経済学は難解な経済の話だと思われることもありますが、そんなことはありません。「1980円はなぜか安く感じる」「中古品の買取価格に毎回満足できない」「投票の話を聞くだけで投票率が上がる」など、「つい、○○してしまう」という人の不思議な行動を扱う、身近なテーマです。本書ではお金と心理の話を中心に、そんな行動経済学のおもしろさが伝わる内容となっています。初心者の方はもちろん、行動経済学への理解を深めたいと考える方にもおすすめしたい一冊です。

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