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イザヤと王国の危機【聖書】

Text:渋谷伸博

救世主の到来を予告した預言者

旧約聖書の後半に登場するイザヤ、エレミア、エゼキエルの3人を三大預言者といいます。

その中でもイザヤは最も有名で、イザヤ書に記された預言は、古来重視されてきました。新約聖書に引用された文言も、詩編とともにイザヤ書が最も多くなっています。

かつてはイザヤ書はすべてイザヤによる著作と考えられていましたが、現在は、イザヤ自身の言葉を収録したのは全66章のうち1〜39章までだと考えられています。

40〜55章はイザヤの意志を継いだ無名の預言者(たち)によって、ユダ王国滅亡後の紀元前6世紀半ば頃に、56〜66章は紀元前500年頃に書かれたものと考えられ、それぞれ第2イザヤ・第3イザヤと呼ばれています。

イザヤはユダ王国の貴族の出身で、預言者としての神の召命を受けたのは、紀元前740年のことだったとされます。

神殿で神の姿を見たイザヤは自らの*唇が汚れていることを恐れ、神に滅ぼされると思います。しかし、天使の1人が彼の唇に火を当て、「あなたの咎(とが)は取り去られ、罪は赦(ゆる)された」と言ったのです。

当時、ユダ王国もイスラエル王国もアッシリアの猛攻にさらされていました。 ユダ王国は信仰深い王が出て一時的な繁栄に恵まれますが、やがて驕(おご)りや欲深さから信仰を忘れ、王国存続の危機を迎えてしまうのです。

 

そんな中イザヤは、絶望の中にも希望があるとし、救世主(メシア)の到来を語っています。

後世の伝承によると、イザヤは王に捕らえられ、ノコギリで殺害されたといいます。

用語解説 *唇が汚れている 神のことを語るには罪深い人間であるということ。イザヤの深い自己反省に基づく感想だろう。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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