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6.サルゴン王とハンムラビ王による統一と再統一【世界史】

Text:鈴木 旭

サルゴン王のアッカド王国建設からハンムラビ王の法による支配へ。

紀元前3,000年頃、メソポタミア南部各地には、シュメール人が築いたエリドウ、ウル、ウルク、ラガシュ、シュルッパク、ニップール、キシュなどの都市国家が乱立し、交易ルートや水利権を巡って対立することが多くなっていた。

その中で勝ち残ったのが、アッカドの王サルゴンであった。メソポタミア初の統一王となったサルゴンは、直(ただ)ちにユーフラテス中流のマリ王国とシリアのエブラ王国に侵攻。マリ王国から中流の航行権を奪い、エブラ王国からは金銀の産地、木材の伐採権、織物技術を奪った。

そこで大きな役割を果たしたのが楔形(くさびがた)文字。神殿経営、交易と税金の記録に使われ実用文字だったのが文章表現手段になったこと。それに伴って、シュメール語に限られていた楔形文字がアッカド語の表記にも使われるようになった。

しかし、ウル第三王朝が台頭し、アッカド王国滅亡後、メソポタミアを再統一するが、再び乱世の世相を呈するや、バビロンを本拠とするアムル族の王ハンムラビが旧シュメール系部族やエラム族との融和を図り、全メソポヤミアの平和と統一を実現する。三つの戦略が策定された。

第一は消滅しつつあるシュメール語文献をアッカド語に翻訳する。第二はシュメール法典類を集大成し「ハンムラビ法典」を編纂する。そして第三はシュメールの主神エンリルとバビロンの地主神マルドゥクを合体させ、「ベール・マルドゥク信仰」を確立すること。

その結果、ハンムラビ王の権威は否応なしに高まり、ギリシア人が「バーブ・イリ」(神の門)と呼んだ小さな都市が間もなく「バベル」と呼ばれ、バビロンと呼ばれるようになるのである

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
昭和22年6月、山形県天童市に生を受ける。法政大学第一文学部中退。地理学、史学専攻。高校が電子工業高校だったためか、理工系的発想で史学を論じる。手始めに佐治芳彦氏と共に「超古代文化論」で縄文文化論を再構成し、独自のピラミッド研究から環太平洋学会に所属して黒又山(秋田県)の総合調査を実施する。以後、環太平洋諸国諸地域を踏査。G・ハンコック氏と共に与那国島(沖縄県)の海底遺跡調査。新発見で話題となる。本業の歴史ノンフイクション作家として、「歴史群像」(学研)創刊に携わって以来、「歴史読本」(新人物往来社)、「歴史街道」(PHP)、「歴史法廷」(世界文化社)、「歴史eye」(日本文芸社)で精力的に執筆、活躍し、『うつけ信長』で「第1回歴史群像大賞」を受賞。「面白いほどよくわかる」シリーズ『日本史』『世界史』『戦国史』『古代日本史』はロングセラーとなる(すべて日本文芸社)。他に『明治維新とは何だったのか?』(日本時事評論社)、『本間光丘』(ダイヤモンド社)など著書多数。歴史コメンテーターとして各種テレビ番組にも出演。幅広い知識と広い視野に立った史論が度々話題となる。NPO法人八潮ハーモニー理事長として地域文化活動でも活躍中。行動する歴史作家である。

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。