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宗教が国王の成長を制限したイギリスの歴史とは?【世界史】

Text:鈴木 旭

教皇の風下で、諸侯や都市の特権に揺さぶられてきた王権の行

半世紀にわたる神聖ローマ皇帝との叙任権論争に勝利し、十字軍を提唱して絶頂期にあったローマ教皇も十字軍が成果を上げることができず、立ち消えになるとその権威も揺らぎ始める。すると教皇の権威に圧され、諸侯や都市の特権に制約されていた国王の権威と権力が成長。急速に頭をもたげるのである。しかし、例外があった。イギリスだ。一○六六年、ノルマンディ公ウィリアムが、アングロ=サクソンの貴族連合軍を撃破して創建したノルマン朝は最初から王権が強く、他のヨーロッパ諸国とは違っていた。

しかし、ノルマンディ公ウィリアムは元々フランスの貴族であり、フランスに広大な領地を保持したまま、イギリス国王になったため、ややこしいことになる。さらに一一五四年、フランスのアンジュー伯がイギリスに渡り、プランタジネット朝を開いたことで、フランス国内のイギリス領土はさらに拡大する。

王権強化に着手し始めたフランス国王フイリップ二世は当然、イギリス領の奪還闘争に着手。イギリス国王ジョンからノルマンディ公領他、相当の領地回復に成功する。その結果、ジョン王の権威は失しっ墜つ いし、イギリス貴族の信頼を失う。そこで登場するのがカンタベリー大司教である。

大司教は諸侯や上層市民を集め、国王による権利の乱用を禁止する条項を成文化したマグナ・カルタ(大憲章)を定め、ジョン王に認めさせたのである。恣し意い 的な専制政治を繰り返し、強大化しつつある国王権を制約する画期的な試みだったが、長い戦いの始まりを示す事件であった。次のヘンリ三世は平気でマグナ・カルタを無視し、新たな課税をしている。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

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