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ヨーロッパの都市国家で繁栄したルネサンスとは何だったのか?【世界史】

Text:鈴木 旭

下等政治と高等芸術のごった煮

十字軍遠征は数度にわたって繰り返されたが、大した成果もなく終わった。しかし、無駄な試みであったということではない。先進的なイスラム文明の科学技術とビザンツ文化に触れたことで、地中海文明を中心とするヨーロッパの古典文化を見直し、再評価する機運が高まったからである。いわゆるルネサンス、文字通り、ヨーロッパの再生運動であった。

東西交流が始まり、交易ルートが開拓されたため、否応なしに商品経済が活発になると中継拠点たる都市は往来する人々で賑わった。領主が支配する封建農村においても、封建的な領主=農奴の支配= 被支配関係が解消され、農民は自立した商品経済の担い手として生まれ変わっていた。

このように封建社会が崩壊しつつある中で、中世ヨーロッパの精神世界を支配してきたローマ教皇と教会の権威も急速に低下する。代わって、新しい精神的高揚を生み出す芸術と文化創造運動を推奨するパトロン(富裕市民層)が新時代の精神的リーダーとして登場する。ところが、イタリアの都市国家に対する後世の下馬評は「下級政治と高等芸術が両立」する独特な文化的体質を備えた時代であったという評価がある通り、実に興味深い時代であった。ローマ教皇庁もミラノ公国もベネチアもフィレンツェも支配権をめぐって暗闘を重ねた。

その中で、ダンテの『神曲』を始め、ボッカチオの『デカメロン』などで幕を開けたルネサンスは、文学に留まらず、絵画・彫刻・建築等、あらゆる分野に広がり、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロなどの天才を輩出する。十字軍遠征の成果であったと言えなくもない

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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