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中世の大航海時代はどのようにして始まったのか?【世界史】

Text:鈴木 旭

大航海時代は都市国家間の利権争いから始まった

歴史はひょんなことから生まれ出る。世に言う大航海時代が始まったのはどこからか、なぜ、始まったのか、を見ると笑ってしまう。東方交易を巡るベネチアとジェノバの競争から始まったらしい。一四世紀後半、ベネチアがジェノバに勝ち、地中海東部から黒海沿岸の交易権を独占したため、ジェノバは行き先を失った。

ひょいと後ろ、西側を見たとき、ジブラルタル海峡があった。そこを出て、大西洋沿岸部を見れば毛織物工業で盛んなフランドル地方、その対岸にはイギリスがある。この国々を結ぶ交易ルートを開拓できるのではないか? これが大航海時代のきっかけを成す事件になる。

ジェノバ商船は新興国ポルトガルに度々寄港し、さまざまな特権を与えられ、帆船建造を依頼されるが、一五世紀後半になるとポルトガル自身が西アフリカの沿岸航海に乗り出す。「航海王」の異名を持つエンリケ王子の登場である。外洋航海に堪え得る堅固な竜骨船が作られ、甲板も張られた。また風力利用に効果的な三本マストが立てられ、三角帆が利用されるようになった。これにイスラム経由の羅針盤がセットされ、天文学の応用、海図の作成も新時代の航海技術として採用されるようになった。

その結果、一四八八年、バルトロメウ・ディアスが喜望峰に到達。その十年後には、ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰回りでインド西岸カリカットに到達。インド洋横断航海を達成する。これが大航海時代の開幕をなす快挙となっただけではない。イベリア半島のレコンキスタ(国土回復運動)も達成し、さらに、新しい布教先を探す教会の期待にも応える動きとなる。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

いま地球規模の「人類史」という観点からも注目され、一方で一般教養、知識としても人気が高い「世界史」。世界規模の歴史を学ぶ上で大切なのは、歴史を流れとして捉えること、歴史にも原因と結果があり「なぜ」そこに至ることになったのか大もとの理由を理解すること、そして見ただけで忘れないようにビジュアルで視覚的覚えること。本書ではさらにアジアや日本の歴史とその役割にも重点を置き、最新の発見や新しい史論を取り入れた、世界史の学び直しにも、入門にも最適な知的好奇心を満足させる1冊。

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