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アヘンと紅茶がもたらした悲劇!イギリスが中国に突き付けた不平等条約の中身とは?【世界史】

Text:鈴木 旭

清王朝の無知に付け入るイギリス

イギリスは十八世紀末、中国の茶を買い付けて本国へ送り、本国の綿製品をインドへ運び、インド産の阿片を中国へ送るという「三角貿易」を展開し、莫大な利益を上げていた。そして、さらなる拡大を期待していた。ところが、清王朝は取引行為を「公行」という商人組合に独占権を与え、交易地点を広州港に限定していたため、イギリスの輸出は伸びず、輸入ばかり増えた。イギリスの不満は募り、ますます阿片の密貿易に力を入れるようになった。

その結果、イギリスの収支構造は大幅に改善されるのであるが、中国人の阿片吸引者が急増したため、清王朝は役人を広州に派遣して阿片を没収し、廃棄処分にした。さらにイギリスの一般貿易も禁止してしまった。しかし、イギリス東インド会社は「チャンス到来」とばかり、一八四〇年、武力(阿片戦争)に訴えて自由貿易を主張し、密貿易を継続したのであった。阿片愛好者が廃人になろうが、イギリスの利益が上がれば良いという考えだった。

しかも、二年後に締結された「南京条約」では、(1)香港の割譲、(2)上海・広州・福州・厦門・寧波の五港の開港、(3)「公行」は廃止となった。さらに、三年後には領事裁判権、最恵国待遇などの不平等条項を含む追加条約が締結された。イギリスは、これでも満足できなかった。

次の方策を検討中、一八五六年、アロー号の中国人乗組員が清朝の官憲に逮捕されるという事件が勃発。イギリスはフランスと共に出兵し、清国軍を撃退するが、またも反撃されて戦闘再開。英仏連合軍は北京を占領し、一層諸外国の進出を招くことになる。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

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