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赤い色が実際の位置よりも近くに見えるメカニズムとは?【決定版 色彩心理図鑑】

◉進出色と後退色

実際の位置より近くに見えたり、遠くに見えたりする色があります。近くに見える色は進出色といい、赤・橙・黄色といった暖色で高彩度の色です。遠くに見える色は後退色といい、青・紺といった寒色で低彩度の色になります。

看板や標識に赤が使われるのは進出色の効果を狙っているからです。特に赤の進出度は他の暖色に比べても高いという実験結果もあります。照明や背景でも異なると思われますが、総じて暖色には進出効果があり、寒色には後退効果があります。ただし最近の研究では暖色は進出色、寒色は後退色という単純なものではないことがわかってきています。

進出色と後退色をうまく使うと部屋を広く見せることもできます。大きなカーテンがある部屋は進出色のカーテンを使うより後退色のカーテンを使うほうが広く感じます。

◉色が手前に見えるメカニズム

赤は進出色だから全員が飛び出して見えるという単純なものではないと考えられています。赤と青の進出後退を逆に感じる人も少数いるようです。

赤と青では目の中で結像する像の位置が異なり、それが原因で見え方が異なるという説があります。また別の研究では、両眼立体視に関係しているという研究もあり、両眼視をしていない人は効果が弱いと考えられます。

出典:決定版 色彩心理図鑑

【書誌情報】
『決定版 色彩心理図鑑 』
ポーポー・ポロダクション 著

色彩心理ジャンルでロングセラー連発!
「ポーポー・ポロダクション」による、色彩心理のすべてがつかめる決定版!
  色の不思議な心理効果から色が見える仕組み、色の由来、雑学までを、
図・イラスト・写真でわかりやすく解説します。

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