◉カップの色が味覚を変える
フェデレーション大学とオックスフォード大学の共同研究では、色が味覚にも影響を与えることを突き止めています。透明、白、青のマグカップでカフェラテを飲んだところ、白いカップで飲むと濃さを感じたといいます。
また白い皿でイチゴムースを提供すると黒い皿よりも10%甘く、15%味がよいと感じたといいます。これはカップや皿がつくるコントラストの影響ではないかと考察しています(ドーン、スペンス 2014)。
◉食欲と色の関係
色彩心理の中でも色と食欲の関係は非常に複雑なものとされます。個人がもつ記憶の影響(おいしかったもの)や文化的な影響を強く受けて、それが複雑に作用するからです。食欲を抑制する色として青はよく知られていますが、青を見ると食欲がなくなるという単純なものではありません
白い色の皿に占める青色の割合が、心理的なおいしさに与える影響を調べた研究では、皿に含まれる青が10〜20
%のときに食欲を増進させる傾向があり、青色の割合が高くなるにつれて食欲は減退する傾向があることがわかりました(川嶋、数野2009)。少量の青が含まれた皿が食欲を喚起したのは、カップの色が味覚を変えたことと同じように、コントラスト効果の一種だと考えられます。
出典:決定版 色彩心理図鑑
【書誌情報】
『決定版 色彩心理図鑑 』
ポーポー・ポロダクション 著
色彩心理ジャンルでロングセラー連発!
「ポーポー・ポロダクション」による、色彩心理のすべてがつかめる決定版!
色の不思議な心理効果から色が見える仕組み、色の由来、雑学までを、
図・イラスト・写真でわかりやすく解説します。
公開日:2022.05.16