タンスの上など目線の上の場所で祀る
前項で述べたように、神札(お札)は、授与された神社の御祭神の神霊が込められたものです。いわば家庭用の御ご 神しん体たいともいうべきものですから、社殿にお祀りすべきものです。といっても、旧家で見るような邸てい内ない社しゃを庭に建てなさい、ということではありません。日本には、マンションでも使える便利な家庭用社殿があるのです。それが神棚です。正確には神棚は社殿を安置する場所のことで、そこに安置される家庭用社殿は宮みや形がたといいます。神棚(宮形)にはいろいろな形式・大きさがありますが、基本になるのは三社造り(左の図参照)と一社造りです。三社と一社の違いは神札を納める場所が3つか1つかという違いです。神社の本殿にも御神体を奉安する場所が1つのものと、複数横に並んでいるものがありますが、それと同じです。
三社造の場合、中央に伊勢神宮の神札(神宮大麻*といいます)を奉安し、向かって右にご自身の氏神神社の神札、左に崇敬している神社の神札を納めます。もし崇敬している神社が複数ある場合は重ねて奉安してもかまいません。一方、一社造の場合は神札を奉安するスペースが1つしかないので、神宮大麻・氏神神社の神札・崇敬神社の神札の順に重ねて奉安します。
では、神棚を設置できない場合は、どうしたらいいでしょうか。その場合はタンスの上など、目線より上になる場所にお祀りをします。まずその場所をきれいに掃除したうえで、白紙を敷き、そこに安置するのです。この時、お札が南か東を向くようにしましょう。米・塩・水を供えるとなおよいです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博
「神道には教義がないって、本当なの?」「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」 神道の起源から日本の神様、開運神社のご利益まで楽しくわかる! 古代から伝えられてきた日本の心──神道。その奥深い世界を57項目の素朴な疑問からズバリ解説しす。
公開日:2021.06.13
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