魚より肉を食べるようになった日本人
皆さんは肉料理と魚料理のどちらが好きですか?食べ応えのある肉料理ですか?それともヘルシーなイメージの魚料理ですか?
肉と魚は、メイン料理として親しまれる代表的な食品ですが、脂質という点ではこのふたつには大きな違いがあります。肉は脂、魚は油という見た目の違いだけでなく、構成成分の脂肪酸が決定的に異なるのです。
肉の脂が飽和脂肪酸中心であるのに対し、魚の油はオメガ3系の不飽和脂肪酸を同じくらい含んでいます。
希少なオメガ3系……とくにEPAやDHAををたくさん摂れる点で、魚は肉よりずっとヘルシーなのです。
日本人は昔から肉より魚をたくさん食べる民族でしたが、近年では輸入自由化などにより肉が低価格化し、肉を食べる機会のほうが増えてきました。厚生労働省の発表している『国民健康・栄養調査』によると、2006年頃から肉類と魚介類の消費量が逆転しています。
それが直接的な原因かどうかは断言できませんが、最近の日本人は生活習慣病が増え、うつ病も多くなってきました。「きれやすい子供」が増えたのも、DHAの不足によるものといわれています。魚料理よりも肉料理を好んで食べるようになったことで、健康にさまざまな悪影響が出てきている可能性があるのです。
「肉の脂」と「魚の油」の違い
肉の脂(牛脂)
オメガ6系(3.8%)、飽和脂肪酸(45.8%)、オメガ9系(50.2%)
「肉の脂」の特徴
・常温で固体=太りやすい
・飽和脂肪酸とオメガ9系が中心
・どちらも他の脂質で代用可能
・オメガ3系をほぼ摂取できない
魚の油(くろまぐろ)
オメガ3系(25.5%)→EPAおよびDHA20.5%その他のオメガ3系5.0%、飽和脂肪酸(26.1%)、オメガ9系(45.2%)、オメガ6系(2.7%)
「魚の油」の特徴
・常温で液体=太りにくい
・オメガ3系を豊富に含む
・とくにEPAとDHAが豊富(他の脂質では代用できない)
※数値は文科省「脂肪酸組成表」より。四捨五入をしているため合計が100%にならない場合があります。
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気になる中身を少しだけご紹介!油料理を食べると「胃もたれ」するのはなぜ?
胃もたれの原因は油だけじゃない!?
10代、20代の頃はいくら脂っこいものを食べても全然平気だったのに、30代を過ぎたあたりから食後のひどい胃もたれや胸焼けで悩まされるように・・・・・・。これではせっかくの楽しい食事も思い出も台無しですよね。なかには油の摂取量に気を付けているにも関わらず、頻繁に胃もたれを起こしてしまう人もいるようです。この原因は何なのでしょうか?胃もたれや胸焼けの原因はズバリ「消化不良」です。本来、食事で食べすぎたものは胃で溶かされ、小腸に送られて消化、吸収されますが、これがうまく機能せず、食べ物が胃に留まり続けると胃もたれが起きるのです。
では、これを避けるにはどうするか。まずは食べ過ぎ、飲み過ぎに注意することです。どんな食事でも満腹になるまで食べたら、胃腸の処理が追いつかなくなるのは当たり前。とくにビュッフェ形式の食事や酒の席ではついつい胃袋の限界まで食べてしまいがちなので、いつもよりゆっくり食べることを意識して、「だいぶお腹が膨れてきたな」と感じたら、そこで箸を置くようにしましょう。この他、加齢や妊娠、ストレスなども消化機能低下の原因といわれています。食事の際に一緒のタンパク質を摂る、なるべく脂質量を減らすなど、胃腸が働きやすい環境を作ることでも胃もたれの予防、軽減が可能です。
★油と脂は何が違うの?
★油をまったく摂らない食生活を続けるとどうなるのか
★揚げ油の使い回しはからだに毒だった!?
★肉の脂身にはメリットがない?
などなど気になるタイトルが目白押し!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』
監修:守口徹
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守口 徹
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公開日:2023.07.27