八つ当たりしてもストレスは解消できない
みなさんは怒りやイライラを感じたとき、どのような行動をとりがちですか。声を荒らげたり、人やものに当たるのでしょうか。それともじっと静かにやり過ごしますか。一体どちらのタイプが、ストレスをより軽減できるのでしょう。
アメリカの心理学者ブッシュマンが行ったユニークな実験があります。学生たちを故意に怒らせたうえで2つのグループに分け、1つのグループにはパンチングマシーンを殴らせ、もう一方のグループには何もさせませんでした。すると「2つのグループ間で、怒りの収まり方に大差はない」という結果に。パンチングマシーンを殴ることで怒りを発散できるように思えますが、かえって怒りが増した人もいたそうです。
ここからわかるのは「八つ当たりしてもストレスは消えないばかりか、さらに増幅する場合もある」ということです。ストレスを解消したいなら何かに当たるのではなく、身近な人に話を聞いてもらいましょう。人に話すことで気持ちの整理がつき、それだけで気分が晴れるものです。さらに理想的なのは、ストレスを逆に力として、仕事や生活を前向きに推し進めることです。
どうしても怒りが収まらないときは、シャドーボクシングなどいかがですか。仮想の相手をイメージしながらパンチを繰り出すことで、気持ちもスッキリし、運動不足も同時に解消できます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
【書誌情報】
『図解 ストレスの話』
監修:ゆうきゆう
「ストレス社会」といわれている現在、科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。特に最近では、新型コロナウイルスの影響でこれまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2022.08.16