自己変革力を高めてストレスをシャットアウト
他人の言動にストレスを感じたとき、相手を注意して諭したり、考えを正そうとしたりする人がいます。その行為自体は間違っていませんが、多くの場合、それは徒労に終わります。なぜなら「他人はなかなか変えられない」からです。指摘された相手は「何をエラそうに」と反発するでしょう。もしかすると、目に余る行いがエスカレートするかもしれません。そうなれば、こちらのストレスも増すばかりです。
こうした問題を解決するには「自分の課題」と「相手の課題」を分離すること。精神科医のアルフレッド・アドラーが唱えた『アドラー心理学』に「課題の分離」という考え方があります。すなわち「他人の課題は他人が解決すべきもの。自分の課題は自分で解決すべきもの」であり、他人の課題に介入することで、対人関係に軋あつ轢れきが生じることを示しています。
ストレスの原因となっている相手の「困った性格」を変えるのは、あくまで相手の課題であり、こちらの課題ではありません。その線引きをしっかりして、あえて介入しないようにしましょう。
むしろやるべきは「自己の変革」です。「極力、関わらない」「余計なことをいわない」など、今後の対策に沿って、自らの考え方や行動を変えていきましょう。そのほうが相手を変えるよりずっと容易で、エネルギーや時間の無駄もありません。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
【書誌情報】
『図解 ストレスの話』
監修:ゆうきゆう
「ストレス社会」といわれている現在、科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。特に最近では、新型コロナウイルスの影響でこれまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2022.08.25