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ローマ帝国の国教となったあと、どうなった?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

ローマ帝国の発展と分裂に何度も翻弄された

イエスの死後、ユダヤ教による迫害が続きました。しかし、熱心な伝道者パウロらの活躍によって、キリスト教は地中海沿岸地域をはじめ、ギリシャ、ローマへと拡大していきます。こうしたキリスト教の浸透に対して、*ローマ帝国(ていこく)は、国家の転覆をもたらす恐れがあると危機感を抱くようになり、キリスト教への迫害を強めていきました。

ところが、このような困難ななかでもキリスト教の教圏は拡大し続け、313年にキリスト教を帝国内の公認の宗教とすることが宣言されます。392年には、キリスト教はローマ帝国の「国教」の地位を与えられました。

その一方で、教会は帝国の支配機構に組み込まれ、皇帝による干渉を招くことになりました。

395年、ローマ帝国は東西に分割統治に。東ローマ帝国は、新たに首都としたコンスタンチノープル(現イスタンブール)のキリスト教会の地位を向上させ、ローマにあった伝統的な教会の勢力を相対的に低下させようとしました。その結果、コンスタンチノープル教会はローマ教会と肩を並べ、互いの勢力を競うことになります。

西ローマ帝国は異民族の侵入によって476年に滅亡し、後ろ盾を失った西方教会(せいほうきょうかい)は苦難を強いられますが、教会や教皇の権力は帝国からの独立を保つことができました。

東方教会(とうほうきょうかい)は東ローマ帝国の支配に従属しました。962年、西ローマ帝国の復興を名目にドイツに神聖(しんせい)ローマ帝国が成立し、西方教会=ローマ・カトリック教会の教皇は、皇帝とともに神聖ローマ帝国の首長として並び立つことになります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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