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宗教改革って結局、どんな運動だった?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

旧来からの教会を否定する新しい教派の活動

15世紀になると、ローマ教会の教皇(きょうこう)が財政政策の一環として*免罪符(めんざいふ)を乱発しました。しかし、これをきっかけにローマ教会に対する批判が起こり、カトリック教会内部から宗教改革(しゅうきょうかいかく)を訴える動きが巻き起こります。

その発端となったのが、ドイツのマルティン・ルターです。16世紀初頭、大学の神学教授のルターは数多くの宗教書を刊行して教皇庁を批判し、宗教改革を訴えました。

ちなみに、ここで大きな力となったのが、当時登場したばかりの印刷技術です。

運動はやがて、「抗議者」を意味するプロテスタントと呼ばれるようになり、旧来の教派=カトリックに対して、新興の教派=プロテスタントへと発展していきます。ルターが提唱したプロテスタントの共通原理は、信仰義認(しんこうぎにん)、聖書主義、万人祭司主義(ばんにんさいししゅぎ)(万人司祭主義)というものです。

信仰義認は、人は善行ではなく、信仰のみによって神から正しいものとして認められるという考えかたです。聖書主義は、伝承主義を否定して聖書のみを信仰の根拠とするもので、万人祭司主義は聖職者も平信者も神の前では等しく祭司であるというものです。

続いてスイスでは、カルヴァンがルターのあとを受けて宗教改革を主導し、教会制度の改革などを行なっていきました。また、イギリスでも国王の離婚問題を契機に独自の教会であるイギリス国教会が成立することになります。

この宗教改革以降、新旧両派の争いから、各地で宗教戦争が頻繁(ひんぱん)に起こることになります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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