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ムスリムは日々どんな決まりを実践するの?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

基本的な実践としては五つが定められている

ムスリムに求められる基本的な実践は、五つあります。それが「五行(ごぎょう)」あるいは「五柱(ごちゅう)」と呼ばれもので、下図にその五つの項目と内容を記しています。

このなかで信仰告白は、ムスリムになろうという人が最初に行なう行為です。

「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはその使徒(預言者)なり」

と、ふたりの証人を前にアラビア語で唱えます。もちろん、告白の文言を心から信じたうえで行なうことはいうまでもありません。

「五行」のほかにイスラム教での決まりごとにはどのようなものがあるか、説明してみましょう。

ムスリムの女性は外出する際、スカーフやベールで髪や身体を隠します。これも『クルアーン』の教えによるもので、女性を外部の第三者の目から隠したり、家のなかにとどめたりすることは、イスラム世界では昔から広く行なわれてきました。

しかし、こうした考えは女性への差別として西欧社会から批判を浴び、イスラム改革運動などにつながっていきました。

また、イスラム教では一夫多妻制を認めているのも、西欧社会から見てとても奇異なことといえるでしょう。この制度は、かつてイスラム帝国が発展していくなかで多くの戦争未亡人や孤児が生まれたことから、一種のセーフティネットとして取り入れられたという説が有力です。

こんにちのイスラム社会では、これを法律で明確に禁止している国がある一方、黙認していても推奨はしないと立場をとっている国もあります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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