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人類が見つけた世紀の発見!太陽をまわる惑星はなぜ楕円軌道なのか?【地学の話】

惑星の楕円軌道の発見は科学革命となった

「地球は太陽を中心とする円軌道をまわっている」これは大きな誤解です。この機会に誤解を正してほしい。17世紀の天文学者、ヨハネス・ケプラーは天体の運行に関する膨大な観測結果をまとめて、惑星の運動についての「ケプラーの法則」をまとめました。ケプラーの第一法則は「惑星は太陽を焦点とする楕円軌道で運行する」ことを示しました。

それまでコペルニクスの地動説「太陽を中心とする円軌道で運行」が信じられていたのですが、より精密な観測の科学的な解析により楕円軌道であることが明らかにされました。たかが楕円というなかれ、この成果はのちのニュートンの「万有引力の法則」や「力学」に結びつく、科学革命とも呼べる快挙でした。

また、ケプラーの解析で重要な役割を果たしたものに火星の観測結果もあります。楕円は円がゆがんだものであり、そのゆがみ具合が「離心率」という量となるのです。円は離心率がゼロ、値が大きくなるにつれてゆがみが大きくなる。地球ではこの離心率は0.0167、火星は0.0934、地球の6倍もの大きさとなります。

さて、この離心率が変わると、何が変わるのでしょうか?楕円軌道では太陽と地球との距離が変わります。太陽に一番接近するとき〝近日点.と、一番遠くなるとき〝遠日点.の距離の差が離心率と関係します。地球の場合は近日点距離:1.471×10の8剰km、遠日点距離:1.521×10の8剰Km。離心率が大きな火星では近日点距離:2.067×10の8剰km、遠日点距離:2.492×10の8剰kmとなります。

この違いは大きくて、地球と火星の気象に多大な差が生じています。惑星の表層の温度は太陽の光のエネルギーにより支配されているために、近日点では多くの太陽のエネルギーを受け、表面温度は高くなり、遠日点ではそれが少なく、表面温度は低くなります。地球では受けるエネルギーの差は7%程度ですが、火星では30%にもなるわけです。

火星の近日点付近は南半球の夏にあたるため、南半球の夏は極めて暑いことが知られています。地球ではこのような顕著な差はありません。では、なぜ火星はこれほどに離心率が大きいのでしょうか?それは外側に位置する大きな木星の存在が効いていると考えられているのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』

【書誌情報】
『図解 地学の話』
著者:高橋正樹 他

地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。

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