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地球の「季節」はいったいどのように生まれたの?【地学の話】

地球の地軸が動くとどうなるのか

日本には四季があり、人々は夏の暑さや冬の寒さを感じながら季節の移り変わりを楽しんでいます。この春夏秋冬の四季はどうして生まれるのでしょうか?

太陽の周りを地球が楕円を描きながら公転しているために、地球から太陽までの距離が一年を周期として変化することが原因なのでしょうか。季節は日本だけでなく世界中にあり、北半球が夏の時期に南半球では冬を過ごしていることを思い出してください。地球と太陽の距離の変化が季節の原因だとすると、北半球と南半球で一年の中で季節が逆になることを説明できません。

原因は、地球の自転軸が傾いていることにあります。地球の自転軸は地球が太陽の周りをまわる公転面(黄道面)に垂直ではなく、垂直な方向から23.4度傾いています。自転軸の傾いた方向は、公転によって変化しないので、北極側が太陽の方向に近づくときと南極側が太陽に近づくときが生まれます。北極側が太陽の方向に傾いた自転軸で自転したとき、太陽から受けるエネルギーは北半球で大きくなります。。

夏至のころには北緯23.4度の地点で太陽が真上に来ます。さらに昼間の長さも長くなり、北半球は太陽のエネルギーを南半球よりたくさん受けることになるのです。太陽と地球の距離は影響しないのでしょうか?楕円軌道を公転する地球が太陽に最も近づく点を近日点といいます。いま近日点は冬至点の近くにあります。ということは、北半球が冬の季節に地球は太陽に近づくということです。

地球の公転軌道は円に近いので、遠日点での太陽までの距離は近日点での距離より約3%だけ長くなります。このとき太陽から受けるエネルギーの違いは約7%程度と小さく、それより地球の自転軸が傾斜している影響のほうが大きいのです。なぜ、自転軸は傾いているのでしょうか?

月が地球の周りをまわりはじめることになった事件と関係していると考えられています。46億年前に起こったジャイアント・インパクト(巨大衝突)で、地球の自転軸も傾いてしまったらしいのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』

【書誌情報】
『図解 地学の話』
著者:高橋正樹 他

地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。

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