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スーパーボルケイノという想像を絶する火山の恐ろしい威力とは?【地学の話】

平均気温が10℃下がるそのとき人類は生き残れるか

火山灰の噴出量が1000㎦を超えるような、想像を絶する噴火を行う火山のことをスーパーボルケイノと呼びます。最近10万年間で最も大きな噴火をしたスーパーボルケイノは、7万4000年前に2800㎦ものマグマを噴出したインドネシアのスマトラ島のトバ火山です。トバ火山の火山灰はインド大陸を15㎝以上の厚さでおおい、それは中国南部にまで達していて、地球表面の約4%を占めるといわれています。少し詳しくトバ火山の噴火の状況をみてみます。

トバ火山の噴火では、大量の火砕流が噴出してスマトラ島からマレー半島にかけての地域をおおいつくしました。火砕流はインド洋に流入し、インド洋の周辺地域に巨大な津波をもたらしました。さらに、全地球的に大きな影響を及ぼしたのは、火山灰とともに成層圏に大量に供給された二酸化硫黄です。

成層圏に供給された二酸化硫黄は、太陽光により光化学反応を起こし、水蒸気と反応して微細な硫酸エアロゾルとなります。硫酸エアロゾルは太陽光を反射するので、その結果、地表に届く太陽エネルギーが減少し、地表は急速に寒冷化します。火山の冬です。火山灰は比較的早く地表に降下しますが、硫酸エアロゾルは長期にわたって成層圏に漂います。その結果、火山の冬は長く続くことになるわけです

トバ火山の7万4000年前の超巨大噴火では、2800㎦ものマグマが噴出したことで、大量の二酸化硫黄が成層圏に供給されました。グリーンランドや南極の氷河からのデータによって、当時6年間余りにわたって大気中の硫酸濃度が高かったことが判明しています。

そして、このときの火山の冬では、平均気温が10℃余りも低下し、それが6年余りも続いた可能性があるのです。平均気温が10℃余り低下すると、熱帯雨林は全滅し、寒冷帯の針葉樹林も半分程度死滅するといわれています。それが6年間も続いたとしたらどうなるでしょうか?人類の食糧生産は大きな影響を受けるに違いありません。

トバ火山の超巨大噴火の平均噴火間隔は約42万年です。トバ火山は、7万4000年前に噴火しているので、次の超巨大噴火まではかなり時間がありそうです。同じスーパーボルケイノであるイエローストーン火山の場合、62万年前に1000㎦ものマグマを噴出していますが、その超巨大噴火のもうひとつ前の超巨大噴火は、さらに68万年前です。イエローストーンはすでに62万年が経過しています。もし噴火間隔が68万年とすれば、イエローストーン火山はすでにいつ超巨大噴火をしてもよい時期になっていると考えられないことはないのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』

【書誌情報】
『図解 地学の話』
著者:高橋正樹 他

地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。

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