事前に日本の文化を学ぶベトナム人
日本で働く外国人のうち一番多いのが中国人です。その割合は外国人労働者全体の26.6%で、その次がベトナム人で21.7%、そのあとはフィリピン、ブラジルと続きます。中国人の働き手は製造業や小売業など幅広いのに対し、ベトナム人は技能実習生が多いのが特徴です。技能実習生は技術を学ぶため企業と雇用契約を結び、研修を受けながら働きます。勤勉といわれるベトナム人は今や日本の労働力に欠かせないといえるでしょう。ベトナムでは日本で働くことが決まった者は、事前に日本語や日本の文化を学ぶために研修を受けることになります。若者たちが学校に集まり、寮生活を送りながら、朝から晩までみっちりと研修を受け、あいさつの仕方、ごみの分別まで日本の常識を叩き込まれます。
安い賃金に耐え切れず不法滞在者になるケースも
中国やベトナムから来た労働者の多くは、母国よりも日本で働いたほうが、賃金が高いといいます。それにつけこみ、最低賃金で働かせる企業も多く存在します。残業代も払われずに、長時間働かされるケースも多々あります。理不尽に怒鳴られたり、差別やパワハラを受け、それに耐えられず失踪してしまう労働者たちも。2017年の法務省による調査では、1年で約7000人が失踪していることが明らかになっています。彼らは国に帰ることができず、違法に日本に滞在し、身分証明が不要な怪しい仕事につかざるを得ない状況に陥るのです。これらがのちの世に持ち出され、問題にならなければいいのですが。
『図解 地政学の話』はこんな人におすすめ!
・経済とテクノロジーをめぐる問題って?
・地政学ってそもそもなにが学べる?
・日々変わる世界の情勢を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識です。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
気になる中身を少しだけご紹介!自国に帰るシリア難民があとを絶たないってホント?
都市部で暮らすシリア難民
シリア危機が勃発した2011年以降、1100万人以上のシリア人が国内外で避難生活を送っています。国外では隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトの5か国が主にシリア難民の受け入れをしています。シリア内ではいつ殺されてもおかしくない状況にも関わらず、難民の中には自国に戻る人たちがいます。理由は経済的に苦しい状況に追い込まれているからです。
イラクを例にとると、シリア難民が避難していたクルディスタン地域からは約2万5000人が去り、多くが自国に戻ったといわれています。増え続けるシリア難民たちはキャンプではなく、都市部で暮らしています。都市部では生活面で困窮するケースが多くみられるのです。家賃や医療費も高く、それに見合うだけの収入も見込めません。雇用は自国民を優先させるため、どうしても難民の就労は難しい状況です。
隣国では国境封鎖も辞さない考え
現在、360万人のシリア難民を受け入れているトルコでは、政府が運営する難民キャンプの主要人数を超えており、難民の多くがキャンプの外で暮らしています。レバノンにも100万人近いシリア難民がいますが、国境を強いられています。レバノン政府は難民の定住を阻止したい考えで、国連機関による難民定住キャンプの建設を認めていません。また、受け入れている5か国も難民が来るのを防ぐため、国境封鎖を進めています。これらにより身動きのとれない難民が増え、自国に帰らざるを得ないのです。
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などなど気になるタイトルが目白押し!
政治、経済、地理、軍事と世界情勢がまるごと理解できる楽しい1冊です!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
荒巻 豊志 著
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2023.05.20