急ピッチで進む中国の宇宙ステーション
冷戦時代、アメリカとロシアは宇宙開発を競いあっていました。人類が月に着陸したのも、し烈な米ソの戦いがあったからです。
しかし、今、宇宙開発でアメリカが戦うべき相手は中国です。2019年1月、中国の探査機「嫦じょう娥が 4号」が人類史上初めて月の裏側に着陸しました。
また、中国は2022年までに宇宙ステーション『天宮』を完成させ、宇宙飛行士を送り出す計画も持っています。
しかしこれにトランプ大統領は黙っていませんでした。宇宙開発においても優位に立つため、2019年度のNASAの予算を前年度から約3億7000万ドル増額させました。
宇宙戦争勃発も!?
中国が宇宙開発に勢力を注ぐのは、アメリカに追いつくためだという見方がされています。そしてその裏側には軍事的な目的があります。
世界の勢力図は陸海空だけでなく、宇宙にまで広がっています。将来的には宇宙空間からの攻撃といった軍事利用も考えられます。
まるでSFの世界のような話ですが、中国の技術開発が進み、アメリカがそれに負けまいと資金を投入し、NASAの技術を向上させるとしたら、日本はおいてけぼりになります。
日本の宇宙開発は軍事目的で探査機を送り込んでいるわけではないからです。しかし他国は軍事利用も頭に入れた宇宙開発を行っているのが現状です。軍事アレルギーが強い日本は、こういうことに遅れがちなのです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
著:荒巻 豊志
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「地政学」について分かりやすく解説した一冊。「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2020.11.11
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