太陽からの絶妙な距離が生命をはぐくんだ
現時点で私たち人類が知る限り、地球は全宇宙のなかでたった1つ生命に満ちた天体です。
ここでいう生命とは、知能を持った高等生物に限らず、細菌のような微生物を含みます。
生命の惑星であることの最も重要な条件が、「液体の状態の水がある」こと。
生命が命を維持していくためには、さまざまな化学反応が必要です。液体の水は水素結合と呼ばれる特徴的な性質を備えています。
水素結合には、分子同士を緩やかに結びつける作用があり、生命活動を維持するための化学反応を起こす場となってくれるのです。
太陽系の惑星だけを見てみても、その表面が豊富な水で覆われているのは地球だけ。地球が「水の惑星」と呼ばれるゆえんです。
水は、一気圧では0度から100度の間でしか液体として存在できません。その点地球は太陽とちょうどいい公転軌道半径であるため、この温度条件を備えることができているのです。
地球より少し太陽に近い金星では、太陽に近すぎて表面温度が高温になり液体の水は存在できませんし、地球の外側を公転している火星では、表面の水は凍りついてしまいます。
このように、惑星の表面に液体の水が存在できる領域のことを「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」と呼んでいます。
太陽系での距離を表すとき、地球と太陽との距離(約1億5000万キロメートル)を1天文単位(1au)といいますが、太陽系のハビタブルゾーンは大雑把にいって0.7au(金星の公転軌道)と1.5au(火星の公転軌道)の間にあるといわれています。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、右側に文章、左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。
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気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
最新の宇宙の姿についてくわしく知ろう
★地球は宇宙のどこにあるの?
★地球全体が氷に覆われていたってホント?
★太陽系にもっとも近い「地球型惑星」を発見!
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などなど気になるタイトルが目白押し!
ほかにも「最新宇宙トピックス」など最新の情報をご紹介!
いかがでしたか?本書『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』を手にとって、お読みいただくことで、最新の宇宙の姿について知ってもらうだけでなく、日進月歩の天文学の面白さと、その魅力について知っていただければ、そしてまだまだ謎に満ちた宇宙に親しんでいただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.07