そこで注目を集めているのが、「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」です。
そんなものはSFの世界での話だろうと思われるかもしれません。
しかし、1991年に鉄鋼の20倍の強度を持つ画期的な素材「カーボンナノチューブ」が開発されたことを機に、宇宙エレベーター構想についての議論が加速してきました。
なんと、日本の大林組の構想では2050年には完成を想定しているというのです。
そんな、宇宙エレベーターとは、どのようなものでしょう。
気象観測用衛星は、赤道上空の高度約3万6000キロメートルに打ち上げられ、地球が1回転するのと同じスピードで回るので止まっているように見えます。これが「静止衛星」です。
宇宙エレベーターとは、この静止衛星をターミナル駅として、カーボンナノチューブ製のケーブルで地上とつなぎ、そこにエレベーターをとりつけて地上と行き来できるようにしようというもの。
宇宙エレベーターには、ロケットと比べて墜落や爆発の危険が少ないと考えられていますし、大気汚染の心配もありません。
まだ構想段階の宇宙エレベーターですが、もし実現すれば、宇宙開発が大きく飛躍することは間違いありません。
そして、私たちが月や、もっと別の天体を訪れることも可能になるかもしれません。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、右側に文章、左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。
図解シリーズには健康・実用だけでなく大人の学びなおしにぴったりな教養のテーマも。ぜひ手に取って確認してみてください!
気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
最新の宇宙の姿についてくわしく知ろう
★地球は宇宙のどこにあるの?
★地球全体が氷に覆われていたってホント?
★太陽系にもっとも近い「地球型惑星」を発見!
★「月の海」に水はあるの?
などなど気になるタイトルが目白押し!
ほかにも「最新宇宙トピックス」など最新の情報をご紹介!
いかがでしたか?本書『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』を手にとって、お読みいただくことで、最新の宇宙の姿について知ってもらうだけでなく、日進月歩の天文学の面白さと、その魅力について知っていただければ、そしてまだまだ謎に満ちた宇宙に親しんでいただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.18