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太陽は星が燃えているの?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

中心で起こる核融合によって巨大なエネルギーを放出

地球上の生命のほぼすべては、太陽エネルギーのおかげで生きています。人類の文明を支える化石燃料も、水力や風力などの自然エネルギーも、太陽エネルギーが変化したものなのです。

では、太陽のエネルギーはどのようにして生み出されているのでしょうか?

それは、なにかが燃えているのではありません。太陽はすでに46億年もの間エネルギーを生み出し続けています。いくら太陽が大きいとはいえ、そんなに長い間燃え続けていられる燃料は存在しません。

そもそも太陽は、地球や月のような岩盤の地殻がなく、気体でできた星なのです。

太陽エネルギーの源は、核融合です。

太陽の中心核は直径20万キロメートルで、1500万度、2500億気圧という高温・高圧状態になっています。ここで、水素原子核がヘリウム原子核に変わる核融合が起こり、巨大なエネルギーを生み出しているのです。

こうしてつくられたエネルギーは、厚さ40万キロメートルの放射層と、同じく20万キロメートルの対流層を、およそ数十万年かけて通り抜け、表面に出ます。内側から放出された光や熱で、太陽は真っ赤に燃えているように見えるのです。

太陽エネルギーは太陽風にのって宇宙空間へと放出されますが、地球に届くのはそのうちの20億分の1だといわれています。

太陽の活動は、およそ11年の周期で強弱のリズムを繰り返しています。活動が活発なときに多く現れるのが黒点です。

そして、黒点の減少と地球の氷河期には関係があることがわかっています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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