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太陽が巨大化するってホント?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

太陽が水素を使い果たすと膨張して巨大化

太陽の中心部では水素原子4個からヘリウム原子1個をつくる核融合が起こっています。

1個のヘリウム原子はもとの水素原子4個よりもわずかに軽くなり、その失われた質量が太陽の莫大なエネルギーに変わっていくのです。

この核融合の結果、太陽の中心部にヘリウムがたまっていき、ヘリウムの中心核ができます。

すると、高温の中心核はますます重く、高圧になっていき、やがてヘリウムの中心核は自分自身の重力によって収縮し、つぶれていきます。

およそ60億年後、太陽は中心部の水素を使い果たしてしまうと考えられています。

すると中心部の核融合は止まってしまいますが、外側では引き続き核融合は続いていきます。

この結果、中心部は収縮し、外側は膨張を開始します。

膨張した分、表面の温度が下がって赤くなります。このような状態になった恒星を「赤色巨星」と呼んでいます。

夜空で赤く輝くさそり座のアンタレスやオリオン座のベテルギウスも赤色巨星の一種で、それらは年老いた星の印なのです。

およそ80億年後、太陽はその外層が地球の公転軌道付近に達するまで膨張すると考えられます。

その後、太陽はさらに不安定になって、膨張したり収縮したりしながら外層のガスが宇宙空間に広がっていきます。

そして、最後には、大きさは現在の太陽の100分の1ほどとなり、中心核が青白く輝く「白色矮星(わいせい)」として残ります。

質量は現在の太陽の7割程度ですから、非常に密度の大きな星となるのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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