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太陽系の惑星はどうやって生まれたの?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

ガスやちりが集まった原始惑星系円盤からつぎつぎと誕生

いまからおよそ46億年前、天の川銀河の片隅で超新星爆発が起こり、宇宙空間に大量のガスやちりが放出されました。これらが材料となり、分子雲が生まれました。

そのなかで密度の濃い部分は分子雲コアと呼ばれています。

この分子雲コアは回転していて、ガスやちりが収縮することで回転速度が上がっていきます。

すると、遠心力が働いて扁平で巨大な円盤状になります。これが原始惑星系円盤です。

やがて円盤の中心部が高温・高圧になって輝きはじめ、原始太陽となりました。

そして、原始太陽の周囲にあるガスやちりはだんだんと冷えていき、たくさんの小さなかたまりができます。

そのかたまりが衝突と合体を繰り返して、やがて小さな天体ができます。こうして生まれたのが微惑星です。

微惑星は、原始惑星系円盤のガスのなかで太陽の周りを公転しながら、衝突を繰り返して大きさを増し、原始惑星へと成長しました。

太陽の近くの微惑星は中心核を持った水星、金星、地球、火星といった「地球型惑星」(岩石型惑星)となりました。

太陽から離れた微惑星は、岩石と氷の惑星で形成されたコアを中心に持ち、コアの周囲に大量の水素とヘリウムをまとった「木星型惑星」(巨大ガス惑星)となりました。木星と土星がこれです。

さらに太陽から離れたところでは、氷と岩石の周りにわずかなガスがある「天王星型惑星」(巨大氷惑星)になりました。天王星と海王星がこれです。

では、太陽系の惑星というのはどんな天体をいうのでしょうか?

その定義は、2006年の国際天文連合総会で次のように決められました。

① 太陽の周りを回っていること。

② 十分に重く、重力が強いために球形をしていること。

③ その軌道周辺で群を抜いて大きく、他の同じような大きさの天体が存在しないもの。

1930年に発見された冥王星は太陽系の第9惑星とみなされていましたが、①と②には該当するものの、③には該当しないことがわかり、「準惑星」の扱いとなりました。

太陽系は、太陽に近いほうから順番に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という8つの惑星から構成されています。このほか火星の軌道と木星の軌道の間には小惑星帯が存在しています。

小惑星帯には無数の天体が存在していますが、ふつう私たちが惑星と呼んでいるほどの大きさのものはありません。

日本の探査機「はやぶさ」が着陸し、サンプルを持ち帰ったことで有名になった「イトカワ」もこの小惑星帯で生まれたものです。長さおよそ540メートルという、ほんとうに小さな天体です。

では、太陽系の範囲はどこまでなのでしょうか?

海王星の外側は、「エッジワース・カイパーベルト」という小天体の帯が広がっています。冥王星もここに含まれます。

エッジワース・カイパーベルト天体は、太陽系形成の初期の段階以降、微惑星からの成長が十分に進まなかった、氷が主成分の小天体と考えられています。

エッジワース・カイパーベルトの外側には「オールト雲」が広がっていて、彗星の故郷と考えられています。

諸説ありますが、ここまでが太陽系といわれています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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