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天王星は横倒しで公転しているってホント?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

巨大な天体の衝突で自転軸が傾いてしまった

天王星は、太陽系で木星、土星に次いで3番目の大きさを持っています。

天王星の氷の主成分は、水、メタン、アンモニアなどですが、大気にも2パーセントほどメタンが含まれているため、それが赤い光を吸収して、天体全体が淡い青緑色に輝いて見えます。

天王星の最大の特徴は、公転面に対して自転軸の角度が約97.8度も傾いているという点です。

つまり、天王星は横倒しの状態で自転し、太陽の周りを公転していることになります。

このような状態になったのは、巨大な天体が衝突して天王星の自転軸を傾けてしまったためだと考えられていますが、それがどのような衝突だったのかは、まだよくわかっていません。

ちなみに、太陽系の他の惑星の自転軸の傾きを見ると、水星はほぼ0度、地球は23.4度、火星は25.2度、土星は26.7度となっています。

天王星の自転軸がいかに傾いているかおわかりいただけたことでしょう。

天王星に接近を果たしたのは、1977年8月に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査機「ボイジャー2号」ただ1機です。

その際撮影された画像は、現在にいたっても天王星に関する貴重なデータとなっています。

また、天王星の衛星は現在27個が確認されていますが、これらの衛星は横倒しになった惑星の赤道面を公転していることがわかっています。

惑星が後から転倒したのであれば、取り残された衛星は極方向をまわるはずですが、そうはなっていません。

そのため、横倒しになる衝突が複数回あった、という説もあります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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