フタバスズキリュウ
ピー助のモデル。首長竜は最新研究でも注目
フタバスズキリュウ(学名はフタバサウルス・スズキイ)の名で知られる首長竜は、日本でもっとも広く知られている古生物かもしれません。
1968年に福島県いわき市にある双葉層群という地層で当時高校生だった鈴木直さんがこの化石を発見したときは、日本中が大フィーバーとなりました。
恐竜や首長竜のような中生代の大型脊椎動物の化石が出るのは日本初だったからです。
また、映画ドラえもん『のび太の恐竜』『のび太の恐竜2006』などに登場するピー助のモデルとしてもよく知られていますが、首長竜は恐竜ではありません。ジュラ紀に登場し、恐竜とは別に海中で進化してきた爬虫類です。
フタバスズキリュウは白亜紀後期の日本近海に住んでいた首長竜の仲間です。
エラスモサウルス類の特徴といえば、その首の長さでしょう。
なんと体の半分以上が首になっており、頚椎(首の骨)の数が他のどの生物よりも多いのです。この骨格の構造では、ネッシーの想像図のように首をもたげるよりも、下方向や横に動かしやすかったと考えられています。
4つのヒレ足を使って海中を泳ぎまわりながら、針のように鋭く、細長い歯で、イカのような小型の軟らかい生物を刺してつかまえていました。
また、首長竜の化石には貝類などの軟体動物や微生物の痕跡が残っていることがあります。
近年、この痕跡に注目し、古生物の遺骸が海底にあったころに集まっていた細菌や微生物、深海生物などの「竜骨群集」を研究する試みもはじまっています。
日本中大フィーバー フタバスズキリュウ
フタバスズキリュウ
中生代白亜紀後期 爬虫類 首長竜類
プレシオサウルス類 エラスモサウルス類
約6.4~9.2メートル
日本で初めて発見された首長竜の化石。フタバスズキリュウ発見後は、1980年代から福井県で大規模な発掘調査が行なわれ、数々の恐竜の化石が発掘された。
発掘されたフタバスズキリュウの化石
首と尾を除く全身の約7割の化石が発見された。ヒレにはサメの歯が食い込み、周辺からは大量のサメの歯が見つかったことから、サメに襲われたかもしくは死体をサメが食べことが考えられる。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』
代表監修:大橋 智之
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公開日:2025.03.11
