ニラに激似のヤバい葉っぱ[スイセンの毒]【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】

ニラに激似のヤバい葉っぱ[スイセンの毒]

誤食しやすい植物ナンバーワン

秋植えで春に花を咲かせるおなじみのスイセンですが、食中毒事故が極めて多いことでも知られています。多くの場合、ニラと間違って誤食したことが原因です。

ニラは食べると滋養強壮や疲労回復の効果があることから、健康によい植物とされています。普段から食卓にのぼることも多いので、誰もが見慣れた野菜といえるでしょう。それがどうしてスイセンと間違えてしまうのか。

スイセンというと、黄色や白色を基調とした美しい花のことを思い浮かべる人が多いかもしれません。実は問題は葉のほうにあって、これがニラの葉とそっくりなのです。

スイセンの葉をよく見ると、中央が少しへこんでいます。一方でニラの葉は平べったく、スイセンに比べると少し幅が狭いという違いがあります。それでもニラの葉にスイセンの葉がまぎれ込んでいた場合、なかなか気づくことは難しいでしょう。

誤食を避けるためには、何よりスイセンとニラを一緒に栽培しないこと。そしてニラを買ったりもらったりしたとき、あやしいと思う葉があったらこすってみることです。ニラの葉や、やはりスイセンと間違いやすいノビルの葉は、こすると独特のにおいがします。迷ったら、ぜひ試してみてください。

スイセンの見分け方

ニラがネギ科に属するのに対し、スイセンはヒガンバナ科の植物であり、ヒガンバナと同じく「リコリン」などのアルカロイド系の有毒物質を持っている。

葉のかたち:葉はニラに似ているものの、少し幅広で中央がへこんでいる。
花:春に可憐な花を咲かせる。ニラの開花時期は夏で、姿もスイセンとは違う。
におい:ニラやノビルの葉や茎をこすると独特のにおいがするが、スイセンにはない。

ニラを食べるときは要チェック

統計的にもスイセンの誤食事故は、ほかの植物に比べてひときわ多い。調理したあとは見分けがつかなくなるので、調理前に見て不安に思ったら絶対に食べないように。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』
監修:船山 信次


【Amazonで購入する】

日常生活のなかで、毒性のあるものを誤食したり、毒を持つ生物に触れたりして中毒症状が出たというケースは少なくありません。
スイセンやキノコの誤食など毎年のように発生しており、毒は非常に身近な存在です。

本書はまず毒とはなにかという毒の定義や作用などの基礎を化学や薬学の知識がない人にもわかりやすく解説。
例えば「地球上で最凶の毒は?」「青酸カリって舐めても大丈夫?」など、気になる毒の雑学とともに紹介します。

また、毒を持つハチ、カエル、クラゲなどの生き物やスイセン、アジサイ、トリカブト、カエンタケなどの植物やキノコ、アスベスト、ダイオキシン、火山ガスなど環境系の毒、
依存度が高いコカイン、危険ドラック、覚せい剤などの麻薬……etc.
人体に影響を及ぼすあらゆる毒を収録!
誰かに教えたくなる毒の最新知識や雑学が詰まった一冊です。

この記事のCategory

インフォテキストが入ります