投げる
野球の華の1つに「速い球を投げること」があります。しかし、大事なのは「やみくも」に投げないことです。投手、捕手、内野手、外野手、どのポジションであっても目標に向かってコントロールよく「正確」に投げることこそ一番大事なのです。「正確」に「速い」球を投げることを心がけましょう。
投手の「投球」。セットポジション
◦ホームベースに正対して、振りかぶって投げるのは「ワインドアップ・モーション」。
◦ホームベースに正対して、グラブとボールを胸のあたりから始動して投げるのは「ノーワインドアップ・モーション」。
◦ホームベースに対して90度の向き。ボールを体の前で保持して静止した状態から投げるのが「セットポジション」。
「無死走者なし」から「二死満塁」まで、「アウトカウントと走者有無」の状況は全24通り。そのうち「走者なし」の状況は、無死走者なし、一死走者なし、二死走者なしの3通りだけ。つまり、24分の21のほとんどの状況が(塁上に走者がいる)セットポジションだ。
◦無死走者=なし、一塁、二塁、三塁、一・二塁、一・三塁、二・三塁、満塁。
◦一死走者=なし、一塁、二塁、三塁、一・二塁、一・三塁、二・三塁、満塁。
◦二死走者=なし、一塁、二塁、三塁、一・二塁、一・三塁、二・三塁、満塁。
ワインドアップよりもセットポジションのほうが、コントロールがつけやすい。ワインドアップのほうが反動はつけられるが、セットポジションでもそんなにスピードが落ちるというわけでもない。投手は、コントロールが定まりにくい登板時の「初回立ち上がり(投げ始め)」が大事。ならば、初回からセットポジションで投げるほうが得策かもしれない。
投手は、ストレートは「4シーム=直球」の握り。つまり、人差し指と中指は、縫い目に垂直になるように握る。内・外野手も「捕球→テークバック→スローイング」の「テークバックのとき」に、球を握る指を滑らせて縫い目にかける(4シームに握り替える)よう意識する。
意識していれば高学年になるころには自然と瞬間的に握り替えられるようになっている。軟式ボールでの送球はそんなに変化しないが、硬式ボールは4シームの握りで投げないと送球が変化するので、相手が捕りづらい。
【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和
【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和
侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。
公開日:2024.03.23