教えて井端さん!守備で大事なのは「とにかくアウトに取る」こと
走攻守3拍子そろう井端弘和氏だが、特に守備はゴールデングラブ賞を7度も受賞したレジェンドである。「守備の基本」をどう考えているのか。
打球を最短距離で追う!
――井端さんはプロ7年目、29歳の2004年にゴールデングラブ初受賞以来、6年連続受賞。その後二塁手コンバートを挟み2012年に37歳で3年ぶり遊撃ゴールデングラブ賞に返り咲いています。どんな工夫をしたのですか。
井端弘和の答え
簡単に言えば「無駄を省いて、楽な守備をする」ということです。「三遊間のゴロには、少し膨らんで回り込むほうが一塁に投げやすい」と言われます。しかし回り込む分、2歩前後増えます。30歳を前にして、基本に忠実に「1歩目を速く、打球に最短距離で入る」練習に、多くの時間を費やしたのです。三遊間に膨ふくらんで回り込めないなら、直線の最短距離で走って逆シングルで捕って投げればいい。結果、2歩前後減らせたことで負担も減少しました。だから37歳まで遊撃を守れたのではないでしょうか。(※編集部注/伝説の遊撃ゴールデングラブ賞7度の阪急・大橋穣、同8度の大洋・山下大輔とも、最後のゴールデングラブ賞受賞は32 歳のシーズンだった)
さらに「準備」もしました。追いかけて追いついているのに、最後に逆シングルで出したグラブの下を打球がすり抜けていくことがある。ならば、グラブは早い段階で出しておけばいい。多少のイレギュラーバウンドには対応できる。最後、飛びついて捕れる確率も高まる。そうすれば自然と守備範囲も広がります。
【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和
【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和
侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。
公開日:2024.05.19