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怨みをもって死んだ人や道半ばで亡くなった人を祀った神社とは?【神社の話】

鎮魂の神社

もともと神道では神と人間は厳密に区別されていました。神が人間の娘のもとに通って子どもをつくることはありましたが、人が神になることはなく、神のように祀られるということもありませんでした。ところが、奈良時代頃より強い怨うらみをもって死んだ者は疫病を流行らせるといった祟たたりをなすと信じられるようになりました。こうしたことの背景には、奈良時代後期から平安初期にかけて政争が続いたことと、過密化した都での衛生環境の悪化があるといわれます。

疫病を怨霊の祟りだと信じて恐れた当時の権力者たちは、怨霊を御霊と呼んで鎮魂の祭りを行ないました。これを御霊会といいます。祭りを行なうだけではなく、神社も建てられました。それが京都の上御霊神社・下御霊神社です。怨みをもって死に、神として祀られた人のなかで、もっとも有名なのが菅原道真でしょう。学者・漢詩人として有名で宇多・醍醐天皇に重用されながら、無実の罪で太宰府に左遷され任地で死した道真は、死後、天神になって政敵に神罰を与えたとされます。

しかし、菅原道真が御霊として恐れられ祀られたのは最初の一時期だけで、その後は学芸の神様として信仰されるようになりました。道半ばで倒れた者も神として祀られることがあります。その代表がヤマトタケル(倭建命・日本武尊)*です。 各地に遠征をして熊襲などの反逆的な部族を討ったヤマトタケルですが、伊吹山の神を退治しに向かったところで病を得て
32歳で没しました。その御霊を祀るために創建されたのが滋賀県大津市の建部大社とされます。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神社の話』
著: 渋谷申博

「神社には、どんな神様がお祀りされている?」「鳥居や狛はどんな意味がある?」「犬や猫の神社があるってホント?」 素朴な疑問で神社のディープな魅力がわかる! 知っておきたい神社のキホンから、イザナギ、イザナミ、アマテス、スサノオ、オオクニヌシなど、神社に祀られている祭神のこと、お祭りと神社の関係まで、神社と神様まつわる知識をイラスト・図とともにやさしく解説ました。金運や縁結び、長寿など、さまざまな願いをかなえる最強の開運神社も紹介。超絶景の神社もわかります。神社のキホンを知れば、神社参拝が楽しくなる! 神社巡りのお供に最適。ユルくてかわいいイラストもお楽しみください。