徳島ガンバロウズの絶対的司令塔・塚本雄貴選手に直撃インタビュー第3回
NBA挑戦中の河村勇輝選手(メンフィス・グリズリーズ)の活躍や、パリ五輪での日本代表の奮闘など、日本の「バスケ熱」が高まっています。国内プロバスケットボールリーグ・Bリーグも同様で、開幕9シーズン目を迎えた今季はB1人気クラブの主催試合チケットがプレミア化するなど、その人気は右肩上がり。こういった流れは1部に該当するB1のみならず、B2、B3にも波及しています。
『ラブすぽ』では今回、現在B3を舞台に戦う徳島ガンバロウズに取材を慣行! Bリーグ初参入となった昨シーズン、いきなりレギュラーシーズン5位でプレーオフに進出する快挙を達成したクラブでもある徳島から、チームの絶対的司令塔である塚本雄貴選手のインタビューをお届けします!
【全3回の第3回】
――前回までのインタビューで「B3全体のレベルが上がってきている」「日本人選手に求められているものも変化してきている」というお話がありましたが、そんな状況で塚本選手は、チームにどういう形で貢献することを目指しているんですか?
塚本 まずはめまぐるしくスピードのアップダウンが繰り返される現代バスケの中で、ペースのコントロールをする。また、チームが5アウトのバスケ(※コート上の5人のプレイヤーがアウトサイドに出てプレーする戦術)をする上で、しっかりとオーガナイズ(組織化)していく。局面局面で「今、誰が当たっているか」をしっかりと理解すること。これはもう確率の話になってくるんですけど、そういうこともしっかりと頭に入れて、理解しながらプレーすることが求められていると感じます。
――司令塔ならでは、の考え方ですね。
塚本 個人で言うと、ドリブルからシュートを打つことも求められていると思います。ポイントガードとして、誰にボールを預けるかも大事なんですけど、自分にシュートがなければ相手のディフェンスはそちらに寄ってしまうので。ピック&ロールのシチュエーションも多いですし、そこでしっかりと確率良くシュートを決めることも大切です。
――そういったチームとしての決め事や戦術についてはデマーカス・ベリーHCと密にコミュニケーションを取っている?
塚本 今シーズンについてはお互いに2年目ということもあるので、そこまで密に何かを詰めることはないです。1年目の時点でベリーHCがどんなバスケをやりたいかは理解しているし、2年目で大きく変化があったわけではないので。ただ、僕の中で疑問点や聞かなければいけないことが出たときには、ちゃんと話はするようにしています。
――コミュニケーションを取るうえで、塚本選手は「英語が喋れる」という話も聞いたのですが?
塚本 ……(笑)。いや、喋れるって程のレベルではないですよ。ただ、他の選手と比べて英語と触れ合う機会があったのは間違いないと思います。高校時代、今はヴィアティン三重でプレーしているフィリップ アブが留学生として来ていて寮が同部屋だったんです。彼はナイジェリア出身なんですけど、ナイジェリアは英語圏なので単純にコミュニケーションを取るうえで英語が必要だった。あと、当時のトレーナーさんが英語を話せる人で、教わったりもしましたね。
――HCやチームメイトとも、普段から英語でコミュニケーションを取ったりするんですか?
塚本 徳島の選手の半数以上が英語を話すので、普通に練習したりプレーするだけでも英語が飛び交う環境なんですね。日本人のHCなら、まずは日本語で話して、それを英語で通訳するという流れになるんでしょうけど、ウチの場合は逆なので。あとは私生活の面でのコミュニケーションも結局英語になるので、「勝手に上達する」感じですね(笑)。
――ありがとうございます。改めて、最後に今季の抱負、意気込みを聞かせてください。
塚本 昨シーズン、参戦1年目でプレーオフに出て、そこで負けた悔しさみたいなものは当然残っています。今シーズンはそれを共有できる選手がそろっているし、ケミストリーの部分でも昨シーズンから引き続きやれるという強みもあると思います。チームとしての戦い方もようやく見えてきましたし、離脱していたジェレミー・コームズが帰ってくることで「ガンバロウズのバスケ」もよりスピーディになるはず。そのうえで、B3優勝、B2昇格という目標はブレることなく、「過程」を大事にしながらその先の結果を求めていく。僕自身もチームに求められているものを理解して、昨日できなかったことを今日やれるように意識してプレーしていきますので、応援よろしくお願いします!
写真・徳島ガンバロウズ提供
文・花田雪
公開日:2024.12.04