体幹の動きは回転だけではない
【部位】脊柱 【機能】回転、前後の傾斜、左右の傾斜
前後左右の屈曲と回転が自由にできる状態をつくる
体幹の動きは、脊柱(背骨)の動きがつくっています。たくさんの椎骨が積み木のように重なっていて、その重なり合いの部分でねじれたり折れ曲がったりします。ひとつの動きは小さいものの、たくさんあるため、全体としては大きく動きます。動きとしては、上下、左右、前後という3つの軸に対して、軸方向の動きと回転ができ、どの動きもスイングの中で使われます。
そのため、大切なことは、この脊柱全体をスムーズに動かせる状態をつくっておくことです。回転、前後傾、左右すべてどの動きも支障なくできる状態が理想です。スイングの姿勢は骨盤から傾けることが理想とされます。骨盤から前傾させ、脊柱全体を自然に伸ばしてニュートラルな状態にしておけば、どの動きもしやすい状態をつくれます。
しかし、背中が丸まった構えの人も背中が反った構えの人もいます。できるだけ自分の体にとって無理のない状態をつくることが大切です。
●上下の軸と2つの動き
体の動きを立体的に考えると、まず上下の軸に対し、軸方向の動きがある。つまり、上に伸びる動き、下に縮む動き。そして上下の軸を中心に回転する動きがある。
●左右の軸と2つの動き
次に左右方向の軸に対して、軸方向の動き、つまり右にスライド、左にスライドがある。さらに左右の軸中心に回転する動き(前傾と後傾の動き)がある。
●前後の軸と2つの動き
3Dのもうひとつは、前後の軸。軸方向の動きは、前に動く動きと後ろに動く動きになる。さらには前後の軸中心に回転する動きは、左右への側屈になる。
●骨盤から前傾すれば脊柱全体を使える
骨盤から前傾すると、体幹全体を動かせる。骨盤を立てておき、背骨のどこかで前傾すると、体幹の中で動く部分が制限される。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2024.01.24