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気になる子に上手に伝わる話し方のコツとは?【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】

Text:湯汲英史

気になる子に上手に伝わる話し方のコツ

気になる子に上手に伝わる話し方のコツ『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』

コミュニケーションの取り方を工夫しよう

子どもと話すときに大切なのは、「相手が理解できているか」を確認することです。ゆっくり・はっきり話すことを意識しながら、子どもの反応を見たり、質問したりしてみましょう。

質問に答えない場合は、そもそも質問の内容を理解できていない可能性もあるため、説明や聞き方を変えることが必要かもしれません。また、「言える=できる」とは限らない点にも注意が必要です。なぜなら、実際の経験を通して、言葉を覚えていく段階の子もいるからです。気になる子に対しては、注意したり叱ったりする場面が特に多くなりやすいもの。。

しかし、保育者が感情的・威圧的になっても事態の改善にはつながらず、かえって子どもがヒートアップしたり、その子の自己肯定感を下げたりすることになりかねません。穏やかな表情・声で話すことを基本とし、子どもが騒ぐようなときにも落ち着くまで待ち、できるだけ冷静に話すことを心がけましょう。

子どもにとって「難しい表現」は避けて

しっかりと伝えよう、理解してもらおうとするあまり、子どもにとって難しい表現を用いていませんか?例えば、丁寧に説明しすぎて一度に伝える内容が複雑・過剰になり、かえって子どもが混乱するケースは少なくありません。

一つの文に込める要素は一つだけに限定し、子どもの反応を見ながら情報を少しずつ提示するといいでしょう。

また、「○○しなかったら××できない」といったように、否定が重なるような言い方も望ましくないでしょう。両方の意味を反対にして、「○○したら××できる」と言った方が「つまり、どういうことか?」をとらえやすくなります。

同じように、「○○してはだめ」「ちゃんと」「きれいに」といった表現では、どのように行動すべきか分からない子もいます。だめなことを指摘したり、抽象的な言葉を用いたりするのではなく、望ましいあり方をストレートに伝える方が効果的です。

声かけのヒント

声かけのヒント【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】

【ヒント1】一つの文に一つ要素

「棚からクレヨンを持ってきて、画用紙の上に名前を書いたら先生のところに持ってきましょう」

こんな風にチェンジ↓

「まず、棚からクレヨンを持ってこよう」「次に、画用紙の上に名前を書くよ」「書けたら持ってきてね」

【ヒント2】二重否定分を避ける

「片付けが終わらないと絵本が読めないよ」

こんな風にチェンジ↓

「片づけたら絵本の時間だよ」

【ヒント3】ストレートな表現に

「まだ机の上のおやつに触ったらだめだよ」

こんな風にチェンジ↓

「手はおひざ、だよ」

【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史

【書籍情報】
『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』
著:湯汲英史

幼稚園や保育園で言葉や行動や少し「気になる子」はいませんか?落ち着きがない、ずっとボーっとしている、「わからない」が多く、会話が成り立たない、すぐウソをつく、他の子や保育者をベタベタ触る……など。そのような気になる行動や言葉を発する子どもたちのサポート法を多数の声かけ例とともに丁寧に解説。また、「気になる子」の周りの子どもたちにも焦点をあて、周りの子どもたちや親御さんへのフォローや対応策のほかにクラス全体が過ごしやすくなる環境づくりのアイデアを提案します。そのほか、園でのスムーズな連携の仕方や有効的な記録の取り方など、今すぐ実践したい保育で役立つ情報を豊富に収録。保育学生さんや新米保育士さんだけでなく、改めて「気になる子」のサポートについて考えたいベテラン保育士さんなど多くの方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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