年齢差や体格などの描き分け
キャラクターの個性を描き分けるために、人物の年齢や体格を自然に表現できるようになりましょう。
年齢差は体格で描き切る
描き手には、描きやすい年齢層というものがあります。若者を描くのが得意な人もいれば、高齢の人を描くのを得意とする人もいるからです。マンガを描くうえで、登場人物の年齢をしっかりと描き切る技量は必ず身につけなければいけません。身長や体格の違いをよく観察し、自然な人物を描けるようになりましょう。
たとえば、幼児を描くときと小学生を描くときでは、身長以外にもさまざまな体の部位を描き分ける必要があります。幼児のほうが小学生と比べ、体全体に対する顔の大きさの比率がかなり大きくなっているのです。その後も中学生・高校生と成長するなかで体格は変わっていきます。男性の場合は胸板が厚くなりがっしりとした体つきに、女性の場合は曲線的なシルエットになるため、しっかりと描き分けるようにしましょう。
大人の年齢差を自然に描くには、顔の表情やしわに加えて、体つきに着目するのがポイント。年齢を重ねるごとに次第に身長が縮み、背中が丸くなっていきます。同時に人物によって痩せていったりふくよかになっていったりするため、体型を思い切って描いてみるのもおすすめです。
人間は成長するに従い、体格にも大きな変化が出てくる。変化をしっかりとつかむことにより、自然な人物を描けるようになるだろう。
幼児期
体に対する顔の比率が大きい。ぷっくりとした体つき。
小学生
低学年の頃は顔の比率がやや大きいものの、筋肉がつき、運動能力が上がる。
中学・高校生
身長が急激に伸びる。女性は丸みを帯びた体格に、男性はがっしりとした体格に変化する。
成人期
身長の伸びが止まる。もっとも体格がよく、安定した時期。
壮年期
痩せたりふくよかになったり、これまでの体型が崩れやすくなる。身長が縮んでくることが多い。
老年期
背中が丸まり、小柄な体格になる。筋肉量が落ちる人も多い。
顔の輪郭とパーツも年齢を表す
また、年齢を描き分けるうえで意識するべきなのは顔の造形です。幼い頃はやや横長な形をしていますが、成長していくと主にアゴが成長し、縦に伸びていきます。高齢になると、顔が重力で全体的に垂れ下がっていきます。そのため顔を描くときには、幼児の顔を基本形として、アゴをつけたり顔のパーツを変化させたりするのがおすすめです。顔はアップのシーンも多いので、特に注意して描き分けましょう。その際に、アゴの形を思い切って描くとキャラクターの個性を際立たせ、差別化させることができます。
顔つきの変化
子ども
基本はやや横長の楕円形。
大人
主にアゴから下が成長する。
※目はほとんど成長しない。
(アゴの形で人物を描き分けられる)
高齢者
顔の皮ふやパーツが下に垂れ、しわになる。
(体つきが細くてもたるみがある)
POINT
幼児期の顔を基本形として、アゴをつけ足したり、顔を垂れさせたりするのがおすすめ。
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ
【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ
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公開日:2024.06.26